今日のテーマ
検討しますと言われた時の4つの意味と対応策
 ※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
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「検討します」の対処法を考えていこうと思っています。営業をしていると「検討します」は聞いてうれしい言葉ではありません。聞きたくない言葉のトップ5に入るのではないかという感じですが、この「検討します」という言葉をどう対処していくかについて考えていきたいと思います。
「検討します」の気持ち
まずは検討しますという言葉をお客さんがどういう気持で使っているのかということを頭の中に入れておかないと対応できませんので、検討しますという言葉の相手側の気持ちを整理しておくと、基本的には2つしかありません。
1つは今は買いたくないです。将来的には買いたくなるかもしれないですし、純粋に買いたくない、あなたからは買いたくないというケース、両方があります。
もう1つは早く商談を終わらせたい。今は買いたくないという気持ちはあるのですが、商談を早く終わらせたい、この人との商談は疲れたなというときにお客さんは言っている。このどちらか、もしくは両方の気持ちを抱えているときにお客さんは検討しますという言葉を言ってくるということです。
「検討します」の意味
「検討します」という言葉の意味は、基本的には今は買いたくないか、早く商談を終わりにしたいかで言っている言葉です。
一つはもう永遠に買いたくないという言葉でお断りしますという言葉を、日本ではオブラートに包む傾向にあるので、今回はお断りしますと言いづらいから検討しますと言う形でその場を終えようとしているケースです。
「検討します」と言って受注になるケースはそんなに高くないと思いますが、「検討します」と言ったときに本当に考えているパターンもあります。1つは考える時間がほしい、要するに自分ひとりになって冷静に考えたいというパターンが1個、もう1つは他との比較です。競合からちょっと提案も受けているからとか、他の情報も調べてから、みたいな形で時間がほしいケース、最後は誰かに相談したい、上司に相談するケースもそうです。知り合い、知人に相談するというケースもあるので、本当に検討するときは自分で考えたい、他と比較をしたい、誰かと相談したいというパターンがあります。
「検討します」という言葉の意味には、断っているか、自分で考えたいか、他と比較をしたいか、誰かに相談したい、があるのです。
検討ポイント
「検討します」の対応を考えるときにはどの意味で「検討します」と言う言葉を使っているかしっかり考えることが大事です。
「検討します」と言われたときにけっこう多くの営業がすぐに反応したり、あおったり、今買ったほうがいいですよと言いがちですが、こういう言葉を並べられた瞬間に相手側はどう思うか、売り込みだ!です。この売り込みだという気持ちを持たれた瞬間にお客さんは引いていってしまうので、しっかりとその後のフォローアップを考えなければいけないです。今結論を出したくない理由は、何かしらお客さんが不安を抱えている、何かしら不足しているわけです。不足しているポイントとしては7つあります。
1つは必要性の不足です。本当にいま必要なのかがわからないということです。自分にとって大事なものなのか、必要なものなのか、重要なものなのか、見えていません。2つ目は緊急性の不足で、今すぐでなくてもいいんじゃないかと思っているケース、3つ目は成果不足で得られる成果が少ない、もしくは自分がやらなければならないことが多い割には成果が乏しいと感じているケースです。4つ目は資金不足で高いと思っている、もしくは事実高くてお金が払えないケースです。5つ目の信用不足が担当の営業さんを信用しきれない、6つ目の自信不足は自分自身、担当者自身が自分の決断に対して自信を持ちきれていないので誰かに背中を押してほしい、7つ目が権限不足で自分に決済権がないパターンです。
どこかが不足しているので、不足を検討します、と本当に不足を検討してくれる相手に対しては何が不足しているかをしっかり確認することが大事です。確認は建前を並べられても意味がありません。本音をいかに話してもらうかがすごく大事な部分なのと、決済者がどうこうの手前で、まずは目の前の担当者がどう思っているかをしっかり理解することが検討しますという言葉をもらったときにすごく大事なことです。
検討しますヒアリングポイント1 ぶっちゃけどう感じていますか?
私が営業のときによく言うのは、「ぶっちゃけ○○さんはどう思っています?どう感じています?」です。ぶっちゃけというのはある程度検討しますという言葉をもらうタイミングでは、商談の後半です。30分から1時間の商談の後半であれば、最後の方のはずです。ある程度会話をしていて、話のやり取りをしていく中で、ある程度くずれた言葉を使っても大丈夫な関係ができているケースが多いので、相手が佐藤さんなら「ぶっちゃけ佐藤さんはどう思います?どう感じています?」みたいなことを聞き、相手の本音を探ります。相手の本音を探るトークが「ぶっちゃけ佐藤さんはどう思っていますか?」です。
検討しますヒアリングポイント2 やりたい気持ちは何割ですか?
次は、正直何割やりたい気持ちで、何割が今回はちょっと違うと感じていますか?という形でパーセントを聞いていきます。たとえば7:3でやりたい気持ちなんだけれどな、ということがわかってくれば、ちなみにその3割はどこが気になっています?と言って7つの不足を確認していきます。
検討しますヒアリングポイント3 個人的にはどうですか?
他にも個人的にはやりたいですか?みたいな形です。BtoBで組織相手にやっている営業トークには効果的なのですが、個人的な意見と組織的な意見が混ざってしまっていることが多いです。うちの会社はこういう傾向があるからなとか、うちはこういうところ突っ込んでくるからな、という感じが個人的な感想をうもらせてしまうことがあるので、まずは目の前の人がどう思っているかを確認しましょう。
検討しますヒアリングポイント4 上司に言われそうなところはどこ?
個人的にやりたいと思っている可能性が高いお客さんに対しては、上司になにか言われそうなポイントはありますか?みたいに、結局権限がない人の意見だけでは結論が出ないので、権限がある人、社長さんどういうところを気にしているかをしっかり確認してあげます。
こうやって相手の本音を探りながら、なにか今情報として、考え方として不足をしているのか、もしくはお金や信用の部分が足りないのか、確認していってそこを埋めていく作業をしっかりやっていきましょうが検討しますの一番の対処法です。
まずは共感、理解を示す
「検討します」と言われた途端に素早く反応をするのはNGです。具体的に検討ポイントを教えて下さいと言われても、検討しますと言っているのだからお客さんはとりあえず放っておいてよ、という気持ちです。変に突っ込むという形ではなく、まずしっかりトークの中で会話するためには、共感、理解をしっかりはさみましょう。検討しますと言われたときに、ああそうですよね、わかります、急に答えを出すのは不安だと思うので。ぶっちゃけ今不安に感じているところはどこですか?ちなみに今不安に思っているところはどこですか?みたいなところの確認をしてあげることがすごく大事です。
まずは共感ありき、理解を示す、その上で本音を探る、本音を探ったときに資金不足や必要性の不足、成果不足のときには新しい提案をしてあげればよいです。商材自体は変わらなくても、どういう風に使えばよいかを提案する、こうして使ったらどうですかね?これだったらどうですか?みたいな形で、商材や提案内容の見え方、考え方、使い方を一緒に考えていくことがすごく大事です。
一緒に考え一緒に検討する
「検討します」と言ったときに、一人で検討させるのではなく、私も一緒に考えます、一緒に検討しますという姿勢をいかに見せるのか。これができるかできないかで、検討しますとお客さんが持ち帰ったあと相談に来るかどうかが変わってきてしまいます。いきなり反応をしてしまうと、また売り込みか、という感じになってしまうので相談も来ません。やるかやらないかの判断は完全にお客様に丸投げになってしまいます。後追いで電話をしたところで、ああ、今ちょっと検討しているんで、と逃げられてしまう事が多々あるのですが、一緒に相談できるパートナーなんだという気持ちをいかに持ってもらうかが検討しますと言われたときに一番大事なポイントです。ぜひ相談するときは相手が理解してくれるコミュニケーションを取ってもらえればと思っております。
検討する基準と検討材料を先に与える
一緒に検討する、一緒に相談する上で何が必要か、そこで検討しますという言葉をもらったときに先に作っておくのは検討する基準と検討材料です。お客さんに「検討します」と言われて「わかりました。ぜひよろしくおねがいします」で終わってしまうと当然お客さんが離れてしまうケースが強いですが、何を基準に検討していくかを一緒に考えてあげます。
価格がネックなのか、比較材料としては価格や性能、得られる成果、工数といろいろ出てきますが、改めて「検討いただくにあたって何が大事ですかね?その上で他社さんと比較してください。」とか「うちの商材を使ってもらえればもちろん良いとは思っていますが、ぜひ考えていただければいいと思っています。」と振っていく。検討行為自体は相手がやることですが、検討する行為を丸投げした結果、検討基準や検討を比較する材料をお客さんに丸投げしてしまうのは営業のフォローが足りない部分なので、検討しますと言われたら検討基準とどこと比較するのか検討する材料をしっかり与えた上でお客さんに投げてほしいと思います。
「検討します」というのは冷静に考える時間を作ることです。冷静に考えるということは冷めるわけです。商談を受けたときが一番購入モチベーションが高いはずです。時間が立ってから、ふつふつとあの商材が欲しくなってきた、ということはまれで、最初からほしいという気持ちがあってそれが最終的に高ぶって買うとなるので、ほしいという気持ちを商談のタイミングでいかに作っておくかがすごく大事です。その上で検討します、冷静になったときにどう動いてもらうのか、どう考えてもらうのか考えてもらう上で、検討基準、検討材料は先に提供しておきましょう。
期限はしっかり決める
検討しますと言われたときのポイントは、何を検討するか、しっかり確認しましょう。聞き方として具体的にどんなポイントを検討されますかという聞き方ではなくて「ぶっちゃけ何が不満ですか」というところを確認してあげます。商談のタイミングで、不安を払拭できるなら先にしておいてあげましょう。その上で検討します。時間をかけて考えたいですという場合には検討する材料を提供してあげて、基準を一緒に考えてあげて、期限を決めます。
いつまでに決めるか、人間は先送りにする生き物なので回答が遅れるケースは非常に多いです。時間が経てば経つほど真剣に考えなくなってくる、いろいろな考えなければいけない情報も入ってきて真剣に考えることがなくなってしまうので、期限はしっかり決めましょう。
最後に今やったほうがいい理由をちゃんと伝える
最後に今やったほうがいい理由をちゃんと伝えるべきです。今このタイミングだから私は提案しているんだということをしっかり伝えることによって提案の意図や狙い、思いが伝わりやすくなるので、ぜひ検討しますと言われたときはそこを伝えてほしいと思います。
あなたのお役に立ちたいんです、が一番最強のトーク
そして最後に「あなたのお役に立ちたいんです」「御社の力になりたいと思っています」という言葉が言えるかどうかが検討しますと言われたときに一番最強のトークだと個人的に思っているので、当然やるべきことは今お話したとおりですが、最後はぜひ私にやらせてくださいという言葉をお客さんに投げていただいて、お客さんに検討していただきたいと思っております。
検討しますと言われないことももちろん大事なことですが、検討したいという気持ちももちろんわかります。相手が考えたいという気持ちも当然わかるので、考えるという時間を与えるのであれば、自分が考える時間の中で何ができるかをしっかり考えていただいて、アプローチいただければと思っております。
