今日のテーマ
お客さんに嫌われてしまった時の状況別対処法と注意事項
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
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ご質問をいただいた時の対処法についてご質問をいただいています。
僕は段ボール関係のルート営業で働いています。取引会社の社長に嫌われました。留守電またはファックスでしか対応してもらえません。今後僕のほうからはどんな対応をしていけばいいですかというご相談をいただいております。
お客さんに嫌われるってつらいですよね。お客さんは神様ですと昔はよく言いましたけれど、こうやって嫌われちゃったらどうしたらいいの?ということは営業をしている人でも悩んでいる人は多いと思います。仕事なので嫌いなお客さんでも話をしなければと頑張っている人もいると思いますが、営業のコミュニケーションは人間関係の一つなので、好き嫌いが出るのは当然と言えば当然です。お客さん側も当然営業を選ぶ権利がありますし、営業側もお客さんを選ぶ権利があるのですが、ルート営業だとなかなかお客さんを選べないというところもあるので、難しさが際立ってくるという感じです。
嫌われた場合の対応策
そこに対しての対応策ということで、ご質問としてはこの中身だけだったのでパターンとしてはこの3つがありますよということで考えていきたいと思います。
1つは嫌われた理由が相手からクレームとかで分かっている場合と、嫌われたかどうかはわからないけれどある程度予測がつく場合、あとは嫌われた理由が全く分からない場合、この3つで対応がちょっとづつ変わってくるので、そこについてお話しさせてもらいたいと思っております。
パターン1 嫌われた理由が相手が聞けている場合
まず嫌われた理由が相手から聞けている場合、ここに関しては相手側が文句を言ってきた、クレームを言ってきてくれている状況なので、こちら側も状況や相手側の言い分がわかっている状態です。そもそもクレームやトラブルが何から発生するかを整理しておくと、相手からすると期待を裏切られたという感覚を何かしらで持っているわけです。これはやってくれると思っていたのにとか、期待していたのにとか、コミュニケーションでもっと気分良くできると思っていたのに、みたいなことでいろいろな不が重なった結果、お客さんからすると期待を裏切られたという感覚を持ってしまうということです。
クレームが生まれる7つの不 不快・不安・不信・不便・不備・不公平・不透明
どんな不があるかですが、不快・不安・不信・不便・不備・不公平・不透明、不快というのはそのままで気分が良くない、不安というのは本当にやってくれるのか動いてくれるのかよくわからない、これは不透明と重なる部分です。それで気持ち的にどうなんだろうと思ってしまう。あとは、不信で、本当に信じていいのか怪しくなってきた、怪しく思えてきた、不便とは連絡がなかなかつかない、対応が悪いというケース、不備は当然ミスをしてしまった場合、あとは不公平で、他の人にはこういうことをしているのにうちにはやってくれない、あとは不透明で実際にブラックボックス化してしまったときは、相手からすれば大丈夫かなあ、ちゃんとやってくれるかなあという気持ちを持ってしまうということなので、こういう積み重ねがクレームやトラブル、文句を生んでしまっているということです。
クレームなどが発生してしまったときの対処法
ここで大事なことは事実がどうこうというよりも、お客さん自身がそう感じてしまっているということが一番の問題点なので、クレームなどが発生してしまった場合、相手から話を聞いている場合はステップとしては6つあります。
1つはしっかり話を聞きましょうということです。やりがちなのは言い訳をしてしまったり、いきなり反論してしまったりするケースが多いですが、まず相手が話をしてくれたことにしっかり耳を傾けるということが大前提で、そのうえで謝罪をしましょうということです。謝罪に関しては何でも謝ればOKということではなく、相手側に不快な気持ちをさせてしまったということに対しての謝罪をする。そこから相手の話を聞いて、ああそうですよね。わかります。申し訳ございませんということで共感を示していくことが3つ目のステップです。
次にやるべきは、ちゃんと話を聞きました。不快にさせてしまったことに謝罪をしました、共感も示しました、ということができたときに認識のすり合わせです。相手側が勝手に誤解をしてしまっているケースや相手がやるべきことをやっていないのに成果が出ていない場合、これは営業の落ち度ではなくお客さんのミスだったり不手際です。そこまで含めて謝罪をしてしまうと、結局全部をかぶってしまうことになってしまって、次の取引や次の関係で何か仕事が進んだときに、全部仕事を丸投げされてしまって終わってしまうので、責任の所在を明確にする、相手がやるべきことをやっていない、認識のずれや誤解があるという場合はそこの線引きは明確にしておきましょう。
例えば営業のトークの中で、ここだけは認識として違うのですが、とか、ここだけは理解いただきたいのですが、という形で、相手の話はちゃんと聞きましたよということを示したうえで、認識のずれがある部分だけはしっかり修正しておきましょう。そうしないと次の提案や対応策が生きていきませんから、認識のすり合わせは飛ばさないようにしましょう。
そこができたうえで、次回はこういうことはするので、こういうことは起こらないようにします、と対応策を明示して、最後やるべきは1.2倍増しの対応をするということで、例えば1週間以内に対応しますということならば5日後に対応を終わらせるとか、そういった形で少しでいいので相手の期待をポジティブに裏切る行為をしましょう。
一度期待を裏切ってしまったという事実があって、ネガティブに裏切っているので、ポジティブな期待の裏切りをすることによって信頼の回復につながってくるだろうということです。ただし裏切ってしまった、1回ネガティブな印象を持たれてしまったものを1回の活動で払拭するのは無理です。改めて関係を作り直すんだという考えを持っていただく必要があります。
パターン2 嫌われた理由が相手を予測できる場合
嫌われた理由が相手から聞けていないけれど予測がつく場合、今回ご質問をいただいた方からいくと、留守電やファックスでは一応対応してもらえているものの、なんで怒られちゃったのか、なんで嫌われちゃったのかわからない場合を確認していくべきですが、会話ができなくなってしまった状況が何が一番厄介かというと、相手に対して共感を示すことができないということです。
話を聞けないという状況ですのでこちら側から予測をするしかないということにはなりますが、予測がある程度できるのならば相手にやるべきことはここはしっかり誠意を伝えていきましょうということしかありません。これは原因がわかっていてクレームが起こってしまった場合も全く同じですが、誠意を持って対応します。
誠意を示す4つの考えるべきこと
誠意を持って対応するとは何なのかというのは考え方としては4つあると思っています。1つはコミュニケーション手段の選び方です。一番誠意がある答え方は、申し訳ございませんでした、という言葉を伝えることが謝罪です。それをメールで言われるか対面で言われるかですが、当然対面で言われたほうが相手側からすれば誠意を感じるわけなので、誠意があると相手に感じてもらうためにはどういうコミュニケーションを取ればいいかですが、一番なのは対面です。次は電話でほぼ同率が手紙、手紙の場合は手書きのほうが気持ちが伝わりますが、そうでなければ印刷、最後はメールという形になると思います。謝罪のコミュニケーションに対して手間暇がかかっているということがわかれば、相手の気持ちがわかってくれやすくなります。
次は上司を同行させるです。自分で対処しきれない場合で行けば、そういった問題について解決する方向性や気持ちを示すためにも上司や役職者を連れていきましょうということです。次はエビデンスや形を残すということです。手紙やメールでもそうなのですが、訪問しました、電話しましたで終わりではなく、形としてこういうことをしようと思っています。さっきの6つのステップがあると思いますが、そういった内容を傾聴はできませんが謝罪の言葉を伝えるとか、こういうことになってしまって申し訳ありませんということを伝えたり、次回の対応策について話す、言葉や行動だけで言おうとしましたという事実ではなく、こういうことを伝えようと思っていますということを形にして残していただくことが大事だと思います。
今回ご相談をいただいた方は留守電やファックスなら対応してくださるということなので、ファックスでそういったことをお伝えいただくことも大事かなと思います。後は手紙やメールを送った場合に関しては、そのあと相手が出てくれるかどうかは関係なく電話や対面でフォローを入れましょう。こういった形で誠意を示していくしかないですよねということです。これもお話ししたとおり、一回のやり取りでどうこうできるものではありません。一回嫌われちゃったところから関係を改善することは本当に難しいですが継続していくしかありません。
パターン3 嫌われた理由が全く分からない場合
最後嫌われた理由が全く分からない、これが一番厄介なのですが、これは理由を考えましょうということです。そういうことを相手に感じさせてしまった理由がないかを考えましょうということで、一回の行動やアクションではなくて、基本的には何かしらの積み重ねが起きているケースが非常に多いと思うので、日ごろのそういうところを振り返ってもらうのと、あとはその人の周りの人に聞いてみるのもありだと思います。
法人であれば電話をかけてみて「最近〇〇さん取り次いでもらえないのですが何かありましたかねえ?」ということを聞いてみる。その時に言われないようにしなければいけない、その電話があったことを言われないようにしたほうが良いケースもあると思うので、その時は「ありがとうございます。こちらから連絡させていただくので、特にお伝えいただかなくて結構です。」とフォローを入れておいたほうがいいケースもあるので、そこは使い分けしてほしいと思います。
個人でも全く同じで、電話だと難しいケースがあるのならば、家族が入ればになってしまいますが飛び込みで、その人がいないタイミングで家族に話を聞きに行くみたいな調査を行うのも方法の一つかなと思います。難しいですから嫌われた理由がわからないというのは相性というケースもあるので、一概にこうしておけばOKということでもないのですが、要因がわからないとこちらとしても対応策が取れないので、そうしたことを考えたり調査する必要があるということでした。
嫌われているときに対処法についていろいろお話しさせていただきましたが、注意点としてはまず営業が感傷的にならないようにしましょう。距離間やタイミングはすごく大事です。少し距離や間を置くこともすごく大事なケースということ、あとは素直に話しましょう。ごまかさない、うそをつかないということも大事です。
後は執着しすぎないということです。本当にこのお客さんじゃなきゃダメなのかということは、営業側もお客さんを選ぶ権利がありますので、そこが難しい場合は上司に相談するということもありだと思います。ビジネスにおける人に嫌われるタイミング、理由は基本的には相手を裏切ってしまった、ということなので、逆にポジティブな相手を裏切る行為のアプローチや取り組みが必要になってくると思いますので、ぜひ参考にしていただければと思っております。