今日のテーマ
相手のもったいないという気持ちがわかる人は営業が上手い人
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
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今日はサンクコストを意識すると相手の本音が見えてくるをテーマにお話していきたいと思います。
もったいない
サンクコストとは、手に入れられそうなものよりも失ってしまったものを評価しやすい人間心理です。すごく簡単に言うと、もったいないという気持ちを人間はすごく持っているということです。もったいないということは、物理的に何かを失うということではなく、今まで投資してきたことをムダにしたくないという心理も強いということです。
投資ということで一番イメージしやすいのはお金だと思いますが、お金以外にも時間をかけてここまでやってきたとか、努力や苦労をしてここまで育ててきたみたいなものがあると、どうしてもそこをやめるとか、捨てるとか言う選択をしづらい状態です。よく私が採用系のツールに添削させてもらうときに、お客さん側で全然成果が出ていない媒体があります。お客さん側も成果が出づらい、出ていないという状況がわかっているにもかかわらず、リプレイスやこちら側からの提案を受け入れてくれないケースがありました。
客観的に見れば私の提案をやったほうがいいとわかっているのですが、切り替えられないのは、今までこれにお金をかけてきたから、これまでツールをずっと使ってきていて、ノウハウややり方が分かっているから、ということで、冷静に考えれば成果が出ていないところにお金や時間をこれ以上かけても成果が出ないことはわかっているのですが、これまでやってきたからという理由でやめられない、リプレイスできないというケースはすごく大きいです。なのでそのまま続けていても損失しかないということがわかっていてもやめられないという状態が人間にはあるということです。
相手が何をもったいないと思っているかを知る
それを否定していきなりこちらのほうがいいですよとどんなにロジックで伝えようとしても、伝わらないので営業としてやってもムダです。そこに対して論理性やロジックでどんなに伝えたとしても、そこに対して人の変化は起こらないので、まずは営業がお客さんに対してやらなければいけないのは、このもったいないという言葉に対して相手が何をもったいないと考えているかをしっかり知らなければいけません。お金をかけてきたから、時間をかけて育ててきたから、これまで努力をしてきているから、労力をかけているからみたいに、いろいろな理由があると思いますが、そこに対してまず営業自身がわかってあげることがすごく大事です。
ロジック破綻している状況でも、相手側がそれを続けたいと思っているのは、脳みそでなく気持ちの問題です。気持ちに対して論理性をぶつけても変化は起こらないので、営業はそうではないという形で否定をしてしまいがちですが、まずやらなければならないことは共感を伝えることです。相手側に「これまで頑張ってきているからこのまま続けようと思っている」と言われたときに、そんなことないですよとか、それってムダですよとどんなに論理的に伝えても、人は変化が生まれません。
否定よりもまずは共感
営業はそういったサンクコストを抱えているときにやらなければならないのが「そうですよね、わかります」と言う共感の言葉です。相手が何を考えているかを知るということはすごく大事なことで、そこを理解してくれる人、わかってくれる人だから自分の本音を話そうとか、こういう問題があるから一緒に考えてもらおうという気持ちが生まれるので、論理性ではなく営業が相手側に本音を出してもらうためには、共感を伝えることが非常に大事です。否定やロジックではなく相手は人間ですから人間は感情で動く生き物なので、相手の感情に寄り添う、相手の感情をわかってあげて共感していることを示す言葉やメッセージ、ボディランゲージをしてもらえればと思いお話いたしました。