【営業ちゃんねる】世界比較から見えてくる日本のキャリア・転職の今なお残る前提とルール

今日のテーマ

世界比較から見えてくる日本のキャリア・転職の今なお残る前提とルール
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。

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今日は転職、キャリアについて、世界の状況から見るキャリア形成で必要なことについて考えていきたいなと思います。転職回数や在籍期間、データの切り取り方で全然変わってきてしまうのであくまでも参考までにですが、国際労働企画のものから引っ張っていくと、日本の一社あたりの勤続年数は12.1年、アメリカが4.6年、顕著に数字が出ています。イタリアやドイツは長かったり、国がらの風土、制度で影響が出ているのですが、勤続年数を見ると基本的に日本は終身雇用という考え方が、もともとあったので長い傾向にあります。

リクルート研究所が出している転職回数の比較でいくと、日本は0.9社、1社も転職しない人がいる、ずっと同じ会社にいるみたいなことが結果として出ています。後は先ほどお話したデータの切り取り方によって20代でもすでに3回しているみたいなことが出てくるのですが、いろいろなデータを見てみても、日本は転職回数が少ない文化にいるんだなということがわかっていただけるかなと思います。

これは今日のテーマである転職やキャリアを考える上で必要なことで、国の文化や制度をしっかり理解しておかないとマーケットで勝てません。マーケットで勝つ、負けるという言い方をしてしまうとビジネスっぽくなってしまいますが、転職やキャリアアップは結局ビジネスですから自分という商材をどう高く買ってもらうか、自分の理想を実現するために自分をどう活用するかという視点なので、市場がどういう状況か、どういう前提なのかを理解しておかないと良いキャリア形成ができなくなってしまう、ということで今日はこのお話をテーマにさせていただきました。

日本は1社に長くいることが良いこととされがち

日本は終身雇用、年功序列の世界なので1社に長くいることが良いこととされがちな傾向にあります。一方でアメリカを見ていくと、転職しない人は「市場性」「順応性」が少ない人、ない人で、転職回数が少ない人は転職できない人と思われてしまう傾向があります。転職をしない人が日本では美徳、アメリカでは逆に転職しない人は市場価値がないと思われるという大きな差が出ています。

中国・タイでは転職経験が多いほど管理職になれる確率が高い

実際に調査などをいろいろ見ていくとわかっている部分も多く、いろいろな国で見ていきたいのですが出世問題で、中国・タイは転職未経験者よりも経験者のほうが管理職になれる確率が高いです。しかも転職経験が多ければ多いほど管理職になれる確率が高いというところで、ここが大きな違いです。日本はどうかと言うと、転職回数が多いほど管理職になりづらい、長くいる人のほうが重宝されがちということがリクルートさんの研究の中でも出てきていることでした。

日本・インドでは転職回数が増えるほど年収が下がる

出世以外で給与の問題では、日本・インドでは転職回数が増えるほど年収が下がるという傾向が出ていました。アメリカでは3回以上転職すると年収が下がっていくとか、他の国で行くとそんな影響がないとか、いろいろ出ていますが、日本の場合は転職回数が増えると年収が下がります。これも年功序列の制度がもともと出ていて、そういう前提で働いていた人がまだまだいるので今後どうなるかは変わっていくと思います。ただ現時点のデータから読み解いていくと、転職回数が増えるほど出世も年収も下がる傾向が日本ではあるということです。

郷に入れば郷に従え

今後転職やキャリアを考えていくときに郷に入れば郷に従えということです。その国がらのルール、企業のルールがあるので、そのルールに則っていかないとなかなか次のキャリアアップ、ステージアップは難しいです。

これはあくまで市場のルール、前提なので、その前提から離れるためにどうするのか、というと方法がないわけではもちろんなく、起業するのが一番早いです。起業を促したいわけではなく、自分の働き方を考えていったときに、起業するだけでなくベンチャーや若い会社で行くと、年功序列や終身雇用という考え方がもともと無い人たちが経営者になっている組織がたくさんあるので、そういうところを選択肢に入れたり、古い会社になればなるほどそういうところが前提になっていたり、いま制度を変えようとしているところも出てくると思います。

ただ古い会社、歴史のある会社はもともと年功序列、終身雇用で働いていた人たちがマネージャ、管理職になっている可能性も非常に多いので、そこからいきなり外れる可能性があるかというと難しいことも多いと思います。キャリアは長い期間で考えなければいけなくて、大学を卒業する22歳から60、70歳まで働くというのがこれからの時代です。長い働くという期間をより効率的に努力が報われる形を考えていったときに市場がどうなっているのか、どういうルールになっているのかを抑えておくことが努力をムダにしない一つの方法になりますので、ぜひ国のルールはご理解いただけるといいかなと思います。

日本ならば今のようなデータがありますし、アメリカ・インドなどでも仕事というのは基本的に国の文化の影響をすごく受けやすいです。日本でいけば工業が発達していったときに言われたことをしっかり理解できる人を育てたほうがいいということで、そういう教育をずっと受けてきて、義務教育があって、みんなが同じ教育を受けてきてみたいな形で教育から文化ができてきます。逆も然りで文化から教育を作っていくこともあるので、文化、教育を受けてきた人が今度市場で働くという状況は全部紐付いています。紐付いている状況や要因を把握しながら今後自分のキャリアや仕事を考えていただくのも必要かなと今日はこのお話をさせていただきました。

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