今日のテーマ
企業は偉いと勘違いした殿様採用をしている会社の実情に遭遇してきた話
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
今日の講義はこちら
今日なぜ面接を突然させられ、そこで起きた悲劇をお話していきたいと思います。言いたいことは、求職者は弱者だということです。弱者の人の時間を奪っているということを、是非採用担当の方や採用している企業さんは理解していただいた上で採用活動をちゃんとやってねという心の叫びです。
殿様採用できる時代はとうに終わっている
私は採用支援の仕事もしているので、毎年面接官の研修をやったりしているので採用についてはけっこう詳しいのですが、先日のような人の時間を奪っていることに対して殿様採用をやっているような会社が本当になくなればいいなということで、今日はこんな話をさせてもらえればと思っております。
どういうことかというと、私は今URERUという会社の経営をしていますが、社長をやっているので今さらどこかに就職する気はないわけですが、「営業代行の話をしてほしい」「相談してほしい」ということで2回担当の方とオンラインでやり取りをしていて、最後に、うちの会社は代理店みたいな形ではなく営業代行なので、他の会社の営業マンの代わりとして名刺ももらってその会社の営業マンの代わりをしているので、「そういうやり方なら一度うちの会社の役員に会ってくれ。」ということで、家から片道1時間半の時間をかけて行きました。本当は商談のつもりで行ったのですが、なぜか面接をさせられてその面接が最悪だった、という話です。愚痴りたいわけではなくて、こういう会社がまだまだあるんだという実情をぜひ採用の現場では知ってほしいということと、採用に関わっている人はそういうことはやめてねと世に訴えたくてこんな話をしております。
人を呼んでおいて誰が来るか把握していない
まず日程調整のやり取り時点から相手側が面接、面接と言ってくるんです。私は就職しませんよとメールを返したら、「ああそうだったんですね、じゃあ。」という話で、結局当日その場に行ったら、面接の方はこちらへ、みたいな形で、そもそもその時間にアポ調整もしていて、人も決まっているのに相手を把握していない。
「面接の方」として対応したところでアウトだと思っていますが、商談ルームという面接の場所に連れて行かれたわけです。こっちから挨拶をしに行って、こっちは商談のつもりで行っているから当然名刺を渡したら、相手は名刺を持っていないので「えっ?」という話です。「名刺?」という感じになったので、「今日は営業代行の相談のことで、来てほしいということだったのでお伺いしたんですけど。」と言ったら、「えっ?私は全然聞いていないんですけど」と全然普通にわたしに言うんです。
もうこの会社は終わっているなと思いましたが上場企業なので、結局その後合計で4人に会ったのですが、一番話をするべき役員の方が遅れて来て、誰ひとりその場をファシリテーションする人も決まっていないし、こちらが最初に送った資料にも目を通していないので、相手側から質問が出てこないんです。なんでこの場に呼ばれたのかということが、とりあえず人事に面接をしろと言われたからその場に面接に行って、その場でなんとなく会話をして、その場でなんとなくよかったらいいんじゃない?、みたいな感じが顕著に現れているそんな場でした。
何をやらされたかというと、その場で「自己紹介をしてください」あなたのことをちょっとわからないので、とりあえず自己紹介をしてください、みたいなノリです。自己紹介をさせられて自己紹介をしたら、相手側もこちらの認識をまったく持っていないので「ああ、素晴らしいことをされていますね。」みたいな感じで終わって、その後役員の人がのこのこ遅れて来る、特にすみませんということもなく終わったので、そんな感じでした。「営業代行をやっているのですが・・・」みたいな本当に雑談レベルの感じでやり取りをして「後日また連絡します。」みたいな感じで終わりました。本当に面接のつもりで相手側は来たんだなという感じでした。
面接は求職者の時間をもらっていることを忘れちゃいけない
私は求職者ではないですが、求職者の人たちはその会社で働きたいという立場で面接をしに行ったり選考に臨んでいるわけなので、立場としては「私のことを雇ってください。」と頭を下げる側です。頭を下げる側なので立場としては企業と就職者という目線で見てしまえば弱者になりがちです。最終決定権が相手側にあるので、最終決定権がある方が最終的には強気に出れるというか、強者、弱者という気持ちでいるからこそ、求職者の時間を奪っているという認識はまったくないわけです。
そこそこ上場していて名前も売れている会社さんではあるので、そういう感覚であったり「うちで働きたいのならねえ・・・」みたいに偉そうに言ってくる、こういう認識を持っている人たちが世の中にはびこってしまっているために求職者の立場が弱くなってしまい、選択肢が狭まってしまう。まして相手の時間を奪っているという認識はまったくもっていないので、こっちとしても貴重な時間なのに、二回もオンラインで面談をして「お願いしたいと思っていますので役員に最終的に会ってください。」という感じで言われて行ってあげたらそんな対応をされたので、この仕事はもう受けないと思います。
そういうふうに人の時間をもらっている、奪っているという認識を持てない企業は、そういう考え方がはびこるんです。役員がそういう考え方で動いているということは面接をしていく中で見えたので、その場にいた人事か企画部の下の人達も結局同じような動きをするわけです。なので正直、組織は規模が増えれば増えるほどいろいろな考え方も出てきますが、やっぱり一番影響力があるのはトップなんです。トップ層の人たちの考え方がどんどん下に降りていくので影響を受けているわけです。
なので求職者はとりあえず面接をこなしていけばいいよという考え方がはびこっていると、結局下も同じようなやり方になっていくか、そのやり方に納得の行かない人たちはやめていくという、組織は長くなればなるほど似た人が集まるのは必然です。似た人が集まることによって居心地が良くなるので、居心地が悪くて違和感を感じる人は外に出ていくという構造になっちゃっているので、似た人ばかりになっている。トップに似た人たちがどんどんそういう役員のやり方に染まって、良いところも似ますが悪いところも似ていく、みたいな形になっていく感じです。
こういう会社や組織が世の中に多いのはすごく感じていて、私は採用の支援の仕事とかもしているので、学生ともコミュニケーションを取ったりします。学生とかと話をしていても、あの面接の意味がわかりませんでした、という回答やフィードバックをもらうことが結構多いです。そのときに誰が出てきた?と聞いたら営業部長さんが出てきましたとか、「書類に目を通していなかった?」と聞くと、大体は書類に目を通していなかったり、それは学生だからとなめているわけです。
社員と向き合えない会社は顧客とも向き合っていない
そうやって人によって態度を変える会社は結局誰も優秀な人は残りません。これは顧客にも同じような態度をしているということで、真摯に顧客と向き合っていない会社は結局社員とも向き合っていないんです。人と向き合うことに対して真剣じゃないということをお客さんだからできるとか、学生だからできないとかじゃないです。基本的には都合が良い時、調子が良いときはできるんです。素が出るときは当然悪い方の素が出るのが当然なので、こういう会社は結局顧客とも真剣に向き合ってないんだろうなと感じることができました。
営業代行をやってくれと言われても多分やらないと思いますが、そういう採用の現場とか、状況があるんだということを一度ご理解いただけると、これから転職活動をしようとか、学生であれば新卒の就職活動をしようという人たちも、自分たちと真摯に向き合ってくれない会社の人達は結局働く人たちや顧客に真剣に向き合っていない会社だと思っていただいて間違いないと思います。そういう会社は最終的には滅びるので、そんな会社には是非行かずに自分の納得がいく、本当にお客さんと向き合っていていいプロダクトを作ろうとしている会社に是非転職や就職してほしいということで、心の叫びを今日はお伝えさせていただきました。
上場企業でもそういう会社はあるので、会社の名前やどうこうではなくて、社員の人の振る舞いやトップの人達の考え方、その考え方が実践されているかどうかを社員の方や現場の方で見ていただいて、最終的にここで働くかどうか、関わるべきかどうか考えてもらいたいと思っています。働くというのは自分の時間を会社にあげるわけです。あげた対価としてお金をもらっているわけなので、当然成果を出したからお金をあげるということで会社は雇っていますが、働く側や求職者側、就職者側でいけば、自分の時間というリソースの時間を会社に捧げているわけなので、貴重な時間を捧げるべきなのか、ぜひ考えていただきたいと思ってお話させていただきました。