ライバル会社に負けずにどうやったら集客ができるのか?というのは営業マン、営業ウーマンが悩むところです。
今まではライバルがそれほどいなかったからうまくやれていたけれど、どんどんライバルが増えてきてこれまでと同じようにやっていてはライバルに取られてしまう。
人材業界においては良い人材を獲得することが必要ですが、自分のところに登録に来る人は、その前に他の会社に登録してから来ていたりするので、良い人材は結局他のところに行ってしまう。
そんなことにならずに、自分の会社に良い人材を集めるためにはどうしたら良いのか、人材派遣会社で働いている営業マンと、良い人材の集客の方法について考えました。
登場人物
第三営業部部長 ささだ
Kさん
人材業界で、集客に苦戦している
自己紹介をお願いします。
Kです。人材派遣と紹介をやっている会社でキャリアアドバイザーという形で、スタッフの登録面接とか履歴書の書き方などの相談を諸々しているのが通常の業務です。
今日のご相談をお聞かせください。
どこも苦戦していると思いますが、集客についてです。
うちはけっこう専門的にWEBとECというドメインで専門性をうたってやっています。WEBのデザイナーやディレクター、コーダーやマークアップエンジニアなどクリエイティブ職の方や最近ではECというEコマースをやっている事業者さんが多くなってきていて、ECのマーケターや運営スタッフから大きなところではWEB広告のスタッフやマーケター、プランナー。大きく分けると、デザインやコーディングなど技術的なやつと、マーケターや運営スタッフなどマーケティング系のものと大別されますが、それに付随して営業事務とかのオーダーもあるのでやっていますが、大きく分けてその2つです。
うちは2003年からやっています。昔はWEB業界も大雑把なくくりだったので、けっこう集客はできていたのかなあと言うところでしたが、今は他社も増えてきました。派遣一つとっても主婦向けや細分化されてきているし、WEBもやっぱり増えているので、人材の獲得競争がけっこう激しくてこれまでと同じことをしていてもなかなか来ないなと言うのが現状です。
問題としてはうちの集客力かなと思っていて、ニッチで専門的にうたっていて歴史も多少あるので知る人ぞ知るという感じですが、とはいっても大手みたいにお金をゴリゴリかけとはいきません。転職活動もいい人は目立つところにまず見せにはいくじゃないですか。なので2、3社行った次みたいな感じでうちに来られると、ライバルの他社に登録してという感じになっちゃうので、やはりなかなか良い人を率先して捕まえられないなあと言うところです。
内訳を言うと、今はindeedがメインで35万円を月で使っていますが、あとはFind Jobが20万ぐらい、イーキャリアが15万ぐらい、enがこれは大阪なので東京ではないですがそのへんです。月に70~80万ぐらいで、一昔前までは90万とか使っていたのでそれに比べると少なくはなっていますが、広告というとそのへんです。
自社の媒体もあるのですが、リクナビ的なただプロモーションみたいな感じで、広報活動的なコンテンツマーケティングをめっちゃやっていますという方でもありません。なかなかそういう意味では発信力が弱いかなとWEBメディアも考えていて、もうちょっと使いやすいのにしましょうとはなっていますが、スマホが多いのでスマホからという感じですね?という状況です。
うちの弱みは明らかにマーケティングだなと思います。社内でマーケティングに強い人があまりいないので、サービス開発もなかなか難しく、右から左に流すだけの人材会社は淘汰されるのは必然だと思っているので、そこがうちに来る意味みたいなものじゃないですか。その人材派遣や人材サービスを使うことで、企業も人も成長すると言うか、そういったところが肝になるのかなと思うので、ただ派遣してとか紹介してとか右から左に流していく形態はやはり今後は選ばれなくなると思うので、そういった意味でどう人を集めるか?今話していて思ったのは、どうサービスを作ればいいかという感じですかね?
Kさんの今の悩みは集客と言っても課題によって施策は変わってくると思います。単価が高いという課題感なのか、予算の割り算すると集客が少ないという話なのか、既存の集客スキームに問題があるから自社のものをなんとかしたいのか。マーケティングは金をかけるか時間をかけるしかやることがありません。現状はいいですがもっと良くなるに越したことがないという前提で、70~80万の予算で今ぐらい集客できていればまあまあ悪くない状況ですよね?
そうですね。悪くはないかもしれないですね。
現状をもっと良くするためには潜在層に働きかけることを考える
それで、ここから何をしたいかだと思うんです。広告依存は維持したまま自社メディアをなんとかして広告依存から脱却なのか、広告の単価をもっと効率化させたいのか、他メディアに行きたいのか、それで多分やるべきことが変わってくると思います。
現状でいくと、コンテンツマーケとかFacebookで広告とかでプラスとかはあると思いますが、結局は最大手ではないという状況が現状あるので、求人媒体に依存している限りは最大手じゃないポジションは変わらないです。なので登録3社目ですという人が来るのはしょうがない。その理由としては広告予算が下手したら倍とか、ゼロが一個違うとか、プラスそれだけの広告予算を突っ込んで目立たせている会社がさらに上場しているので、indeedやFind Job内での競争に勝とうという意味はあまりない気がします。
そう考えると、indeedなどのゾーンはすでに転職したい人、すでに仕事を探している人がいるゾーンなので、考え方としては自社メディアで今は仕事に満足している潜在層を集客する。考え方としてはリスト獲得みたいな形にする。例えば私で言えば、今メルマガやLINEをやっていますが、そこをもっと転職寄りに寄せて自社採用に使うのであったらできなくはないわけです。
3年ぐらい前にうちの仕事を手伝いませんか、とメルマガに出したら、5人ぐらい集客できて実際に仕事を手伝ってもらったこともあります。もともとは採用目的ではないですが、リストを持っているからこそできることもあります。今はオンラインの話をしていますが、オフラインでもいいです。例えば私の知り合いの転職エージェントでマーケターとかをやっている会社さんは、秋葉原とかにカフェ兼オフィスみたいなものを作りました。月に1回そこに座って、ご飯をおごるとかご飯を安くして接点を作って、困ったら相談してもらえる関係づくりをするとかですね。なんだかんだ言ってそっちのほうが強いです。
実際に会えるからですか?
会えるのと恩が売れる。顕在的に転職したいという人は、一回転職させちゃえばもう終わりでつながりが悪いです。
リード育成みたいな感じですか。
顕在的に転職したい人には育成期間がないので条件が良いところで選ぶという感じですが、関係ができているような状況の転職希望者の人達がいれば、時給が他より100円高いとかの案件をふられたとしても、Kさんにサポートしてもらいたいんで、という選び方ができるわけです。
最大手に勝つ方法は、Kさんの会社はガンガン伸びているので中小企業と言っては失礼かもしれませんが、中小企業が最大手に勝つ方法は基本的にはそういう関係値で勝つしか無い。関係値を作れる出会い方だったり関わり方もあると思うので、それで考えていくと、たとえばindeed、Find jobなどの目先の売上を作ることはもちろん大事だと思いますが、たとえば安いプランのものでもいいので出会うということを目的にした形にするとか、WEB系だと多いと思いますがセミナーを開くとか、スキルアップセミナーみたいな感じとか・・・
セミナーは結構開いています。
そこのリードの活用を考えていったほうが活かし方としては見える気がします。
ちなみに今は小規模ですがセミナーをやっているのと、今後4月以降はスクール事業みたいなところで、親会社のマンパワーにかけて少し大きめにやる感じです。今はデジタルマーケターを作ろうというスローガンを掲げていて、なかなか出来る人は出回らないので育てていく。スクール本来の形かもしれませんが、そういう方向性で4月以降に進めるイメージなのですが、そこにうちがどのようにやるのか、設計はイメージできていませんが・・・
ただ純粋に今の話で行くと、そういうことをするということはできない人を育てるという話なので顕在層とはずれるわけです。最大手は今マーケターを取りたい、検索キーワードで行けば「マーケター 転職」で検索している人をとっている。そうじゃなくて、「マーケター 仕事」「マーケターのお仕事」というキーワード、「マーケター 給料」とかで調べている、そういう潜在層を拾っていく感じです。そういう形で育てていくみたいで動いてもらいたいです。
Facebookの類似ターゲティングを利用する
それは例えば自社メディアに記事を増やすか、コラムを増やすとか、あまり思いつかなかったのですがそういうやり方みたいな感じですか?
一方法としてはそうです。Facebookとかで拡散するとか、Kさんのところですと転職希望者のリストとかの個人情報があるじゃないですか。その個人情報をFacebookに登録して類似ターゲティングという方法があるんです。類似ターゲティングの方法とは、そのメールアドレスがFacebookを登録していたら、そのFacebookに登録している人の近しいFacebook上の動きをしている人を、設定上にもよりますが、その友達に広告を出すというやり方もあるので、類似ターゲティングがFacebookを利用するときは一番ターゲットの制度が高いと思います。
それはFacebook広告の一種みたいな形ですか?
Facebookの広告なのでソーシャルの広告をまくみたいな形です。予算を変えられなくて70万から80万みたいな場合でいけば、ここから5万減らしてFacebook広告に回すとか、コンテンツマーケも当たるか当たらないかわからないので。
そうですよね。時間もべらぼうにかかるイメージがあるのですが。
べらぼうにかかります。
そうですよね。まずちゃんとしたやつを書かないと。
そうですね。キュレーションサイトとかが最近はテコ入れして記事を書いてくれる。ただ今のタイミングでそういう記事を書いたとしてもマイナビとかそっちの記事のほうが順位が上なので。
若干、焼け石に水感があるのですが。
コンテンツは資産なので続けられるのだったらもちろん勝ち目があると思います。
あとは顔を売るみたいなイメージもあるんですか?
コンテンツの話ですよね。質の高いコンテンツがのっかっているという意識で信頼度を上げるという話はできるので、そういう捉え方であればありかな。
より直接的なのはさっきおっしゃったFacebookの類似ターゲティングのほうが即効性というか、若干アプローチの質が高いという感じですか。
運用の仕方にもよります。その類似している人が本当にターゲットとしてなりうるかどうかは要検討ですが、狙ったところに出せる精度としてはそっちのほうが高く、かつ期間も短い。マーケティングは金をかけるか時間をかけるかなので、Facebook広告はお金、時間というところをお金で解決しているだけです。もちろんGoogleでトップを取りたいということであればリスティング広告を出すとか、そういうキーワードを狙うとかの方法で、やりようはあると思います。
今の課題感が認知されているけれどコンバージョンされないのであれば、認知してくれている人のコンバージョンのポイントを、転職誘導や転職面談ではなくセミナー参加に切り替えるとか、すでに持っているリストとかで例えばお役立ち資料みたいな形で、ゼロから始めるWEBコーディングみたいな資料を作ってダウンロードしてもらって個人情報を集めるとか・・・
そのやり方は結構有効なんですか。
有効だと思います。リストを取るためで言えば鉄板のやり方です。結局「メルマガ登録してくれ」「LINE登録してくれ」と言っても誰も登録してくれないので、オファーを出すではないですが、「ニンジンをぶら下げているから登録してね」みたいな状況を作らないといけないので、ツールとしてはありかなという感じです。
ダウンロードしてくれた方の情報に例えばメルマガみたいなものを送るというイメージですか。
全くそんな感じです。
自然と目に触れる状況を作るという感じですね。
メルマガとかはやっています?
やっていますが僕が作っているわけではないです。その専門の人がやっていてあまり見ないので、自分のアドレスにもポンポン飛んできたりするんですが・・・
WEBに興味がある若手を集める方法を考える
ならば現状の課題感としてはどの層を集めたいのかみたいなことをまずは考えなければいけません。基本的には全部が良くなったほうがいいというのがありますが、認知が問題なのか、コンバージョンが問題なのか、予算をいくらかけられるのか、予算というのは経営資源なので、人、モノ、金を見たときに人的に予算をどれぐらいかけられるのか?
もののリソースは会社のブランドみたいな形に捉えてもらうとイメージしやすいと思います。リクルートと言えばみんな知っています。みんな知っているから大丈夫でしょう?というところを、その会社どうなの?いや、うん・・・みたいな状況では会社の資産としては弱いので、他ので補填しなければいけない。そのときに人為的リソースをそのまま突っ込めばいいだけ。
Facebook広告やGoogle広告も同じですが目に触れる機会を増やす。メルマガの回数を増やすとかの形で考えていかないと集客の課題が定義が曖昧なので、何が一番大きな課題で何の多面度の施策がベストか、ということをちょっと考えていかなければいけない。
すぐお金は飛んでいくから時間とお金が垂れ流しになるのがマーケティングの怖さです。すぐなくなるので、広告を出して失敗すると金が溶けるといいます。わたしはPVモンスターでお金を溶かしまくっていました。PVモンスターで思い出しましたが、他にはアフィリエイトを出してみるとか。PVモンスターが成功してクリエイターがたくさん集まったのは、A8 という最大手のWEBサービスに出しましたが、そこのクリエイターが自分が登録してきた。クリエイターというよりもアフィリエイターですね。なのでそういったプラットフォームで。記事を書いてコンバージョンと言うよりも、自分がコンバージョンするという仕組みにできたので、登録が増えたんです。
ターゲットとしている人たちが集まっている場所になにか潜り込む方法がないか、そういう目線で考えることが大事になるかな。基本的には自分たちでリストを持っているということが一番の資産なので、この仕組みをどう作っていくかというところをちょっと考えていったほうがいいかもしれない。近々のコンバージョンは広告で刈り取れるという発想もできるのだったら、WEBに興味がある、ITに興味がある、未経験でも経験でも何でもいいから、WEBに興味を持っている若手を集める、そういう動き方でもいいかもしれない。
現状ではリスト化ができていないですよね。具体的に応募のアクションがあった人にしか基幹システムには登録しないので。
ここの漏れをまず回収するのでもいいかも。
具体的に応募があったとか、自社媒体から応募があったみたいな人はもれなく自社のところにリスト化して、アプローチのメールをかけて来社促進するのですが、それ以外の潜在層的な人についてはリスト化がそもそもされていないです。
来社するところまで行かなかった人たちを拾う方法を考える
来社するところまで行かなかった人たちを拾う仕組みを考えるでもいいかもしれない。
たしかにそれは一理あるかな。
要はたどり着いている人が離脱するのが一番もったいないので、indeedの掲載情報で「定期的にスキルアップセミナーをしています」みたいな広告を入れて、求人応募ではないけれどそこに目が行くようにするとか、リンクをはって機能するかという問題もありますが、そういったところもちょっと見たほうがいい気もします。基本は営業と一緒なので、訪問できて打ち合わせもできているのに受注しないのが一番もったいない。現況はKさんから伺った状況でいけば、接点は持っているけれどその先が進んでいないから縁を切っているという状況なので、縁をつなぎとめる方法を考える。そこから新規集客を考えていったほうがいいと思います。
まずはどう関係性を作るか、線を太くしていくということですね。
出口を複数作って、どこかに引っ掛けるみたいな状況にしたほうがいいと思うので。ただマーケティングの問題でもう1個あるのが、出口が多すぎると迷子になってしまって結局何もしないということもあるので、ちょっと順番を変えるとか。来社促進をまずするのではなく、一回は登録を違う形でしてもらって、その後に電話をかけるとか、設計の見直しみたいなところは少し考えたほうがいいかもしれないです。後は数字ありきです。コンバージョンの動線を変えた結果、今来社してくれていた人が来社してくれなくなる可能性もあるので、ここは数字を取りながら目的として何がしたいかをすり合わせて考えていっていただけるといいのではないかと思います。
ありがとうございます。けっこう整理されました。
複雑ですからね。
笹田さんとしてはどうでしたか?CARAとプロモーションの担当の人たちとはやり取りがありましたか?
私は人材にいたときは基本営業ばかりだったので、連れてきた人を決めるみたいな感じでした。ゴリ営業です。
やっぱりちゃんと長期の全体像が見えていないのが問題かなと思います。
そうですね。最終的に人材会社のモデルは就職してもらってなんぼ、という話なので、そこから逆算していったときにどうなの?みたいなところと、短期的な集客をした人と、リレーションを作ってきた顧客や求職者の人達が本当に就職しているの?みたいな話もあると思うので、そういうところも考えて全体的な見直しをしていくところから始めたほうがいいというのは間違いないです。
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