今日のテーマ
営業大好き人間が上司になるリスク
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
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今日は営業大好き人間が上司になるリスクというテーマでお話していこうと思っています。上司や私もやっていますが営業のコンサルをしている人、営業のポジションが上がったり営業で独立している人の大きな一つの特徴は、当たり前かもしれませんが営業大好き人間が多いです。営業が好きだからやり込めて集中できて成果が出ているのはとても良いところだと思いますが、そういう人たちが上司になるとどういう危険性があるのか、今日はお話していきたいと思います。
鬼の体力
まずは営業大好き人間にはどういう特徴があるかというと、2つの特徴があります。その2つの特徴をご紹介していきたいと思います。1つ目は鬼の体力ということで、トップセールスの人たちは結構働きます。長時間労働とか、常に働き続けても全然いけるという人たちがすごく多いです。すべての人ではありません。仕組みを作ったり環境を作ったりで効率的に結果を出している人ももちろんいますけれど、どちらかと言うとたくさん働けてしまう人が多いです。なので鬼の体力と、気力も含めて体力もあって常に仕事ができてしまう人たちが比較的多いということです。
鉄のメンタル
もう1個は鉄のメンタルで、テレアポや飛び込みをやるとだいたい断られまくるわけですが、断られたり怒られたりしても、よし次、という形ですぐに切り替えができたり解釈もすごいです。これも自分の成長につながっているんだ、みたいな形ですぐ自分のためになっていると考えることができるので、できちゃうんです。普通の人だったら断られまくって怒られまくったらどうになりますか?へこみますよね。けれど全然いけちゃいますという感じです。
一営業職としては最強
鬼の体力と鉄のメンタルという話をしましたが、昔の私も実はそうでした。私も実は営業サイボーグと呼ばれた時代がございまして、一営業職としては営業大好き人間として最強なわけです。
営業サイボーグですからとにかく営業しまくります。全然やれちゃうんです。私は社内のアクティビティの管理などをやったことがありますが、他のメンバーと比べて3倍の行動力、テレアポ飛び込み商談の数が他のメンバーより圧倒的に多かったです。3倍やっているので成約率がちょっと低くても普通に数字が高いです。しかもそれだけ数をこなしちゃえば営業の質が上がらないわけはありません。他の人が100回話しているところを私は300回話しているので、300回話しているということは100回話している人とどちらが営業トークがうまくなるのと言ったら、たくさん話す人のほうがうまくなるのは決まっていますよね。そういうロジックが成り立っちゃうんですけれど、自分で言うのもおかしいですが一営業職としては本当に最強でした。
ありがたいことにトップセールスになることもできましたし、社内ベンチャーを任せてもらえたり、色々なチャレンジの機会をもらえたり、それなりに報酬ももらったり、成果を出しているということは当然評価もされますということで、私もマネージャーになりました。新卒の2年目のタイミングで担当部下がついてその後3年目のときに社内ベンチャーの立ち上げをしました。当時でいくとピークのときは50人以上のマネジメントを社会人3年目のときからやっていました。
マネージャーとしては最恐
ただ過去の自分の反省ですが、私が営業で成果を出せた成功体験は、仕組みややり方の工夫よりはどちらかと言うととにかく量をこなすということで成功したという自負があったので、これがよくなかったです。
マネジメントをするときに多くの人が自分の成功したやり方を後輩や部下にやらせたがります。私も全く同じでした。なのでマネージャーになった瞬間に自分と同じことをやれ、やっていないと怠慢だ、みたいな形になってしまうので、マネージャーとしては最恐、めちゃくちゃ恐かったわけです。
担当部下にタケスエくんというのがいました。彼にはサボりぐせがあったのですが、そんな彼に対して基本的に常に怒っていました。「なんでやっていないんだ」「なんでこれができないんだ」「もっとやれよ、やる気があるのか」自分でも振り返って嫌になります。自分の成功体験と同じことを求めるので量をこなせ、要は鬼の体力で働け、鉄のメンタルで断られても次に行けという形で私がマネジメントをしてしまうので、彼はつらかったと思います。ごめんという感じなのですが、マネージャーが営業大好き人間だと、同じことを求めるので当然つらくなってしまうという話です。
大学生の9割が営業をやりたくない
ちょっと話は変わりますが、大学生の9割が営業をやりたくないというアンケート調査がマイナビさんから昔出ていて、その嫌いな理由がノルマが嫌でした。ノルマが嫌ということは当然ノルマのプレッシャーが嫌だというところもあると思いますが、そのためには数をこなせというマネジメントが嫌と同義だと思います。
とにかく電話をかけろ、とにかく飛び込みしてこい、当然その分だけ売ってこいという話なので、ノルマ自体が嫌だと言うよりはノルマに対するプレッシャーのかけかたが嫌なだけだと思います。これから仕事をしようというときにノルマのない仕事なんてないです。例えばノルマが嫌だから事務職になりたいという人がたくさんいますが、事務職だってこの書類を今日までにさばかなければいけないとか、この書類のデータ入力を明日までに終わらせなければいけないとか、ノルマは何かしらあります。けれど営業=ノルマが厳しいという評価になっているのはそういうところからなんです。営業大好き人間の成功体験から、もっとやれよというプレッシャーが辛いというところからこういう状況になってしまっているんだと思います。
もう1個が人と話すのが苦手ということで、これも鉄のメンタルの話で、断られても怒られても話せという営業のイメージがあるからなんです。人間は人と話したくないなんてありえないと思うんです。仕事をしようというときに誰とも話さない仕事もありません。営業の偏見としてあるのがペコペコしたくないと言うだけだと思います。人と話したくないというより頭を下げてそんなことをずっとやっていることが嫌だみたいなことを思っていて、どちらかと言うと営業の大好き人間が成功できる理由としてあげた鬼の体力と鉄のメンタルを求められることが嫌だという話だと思います。
トップセールスづくりは個人依存の典型
営業大好き人間がマネージャーになってしまうと、当然現場に入ってきた人たちはそこまで営業をやりたくないと思っている人が圧倒的に多いわけなので、新卒の文系の子が入ってきて7割が営業に配属されています。9割が営業をやりたくないと言っているので、ほとんどの人が営業をやりたくないわけです。ですが営業大好きな人達は自分の成功体験と照らし合わせて「もっとやれ」とか「断られてもへこむな」と言ってしまうので当然そこにギャップが生まれてしまいます。それが営業をつらくしている営業で、ぼちぼち頑張れればいいなと考えている人たちにとっては過度なプレッシャーになり、営業はつらいなとなるわけです。
マネージャーのマネジメント方法で鬼の体力や鉄のメンタルを求めるマネジメントとは何かと言うと、トップセールスづくりです。「俺みたいにたくさん売れる人におまえはなれよ。」ということを言っている話だと思いますが、トップセールスを作るというのは結局個人に依存したマネジメントです。なので組織力を上げるのではなくたくさん売れる人たちを一人でも多く育てて、結果、ちゃんと売れる状況を作っている、それが個人に依存した形になってしまっています。その人が抜けてしまったら売上は一気に落ちてしまう状況も起こってしまうので、これはマネジメントしているようでマネジメントしていません。
本当のマネジメントは個人に依存しすぎない、もちろん個人を大事にして、個人が成果を出しやすいようにサポートしていくことはすごく大事ですが、個人に依存しすぎないということです。全くしないというわけではもちろんありません。個人に全く依存しないとロボットでいいじゃないという話になってしまうので、誰でもいいじゃないかという話になってしまいます。
そうではないですが、個人に依存しすぎてしまうとトップセールスをたくさん作ってその人達にたくさん売らせるみたいな形になってしまうというのがリスクでもあり問題点でもあります。営業の現場で、営業をこれからやろうとか営業をやっている人たちは、そこまで求めていないことが多いなということを最近改めて感じました。
マネジメントは ○仕込みづくり ×成功体験の強要
改めてマネジメントとはという話ですが、マネジメントというのはマネージャの成功体験の強要ではなく、仕組みづくりや環境づくりです。全員が売れるようにする、誰でも出しやすいようにサービスを作り変えていく、当然営業資料を作っていくとかトークを見直していく、環境を作るというところがマネジメントです。そこで苦しんでいる営業の人達は多いと思います。前もってやれよという形で残業武勇伝みたいな話もしましたが、「俺の時代は深夜2時までやっていた。」「俺の時代は接待で土日も休んだことがなかった。」とか、これは成功体験の強要です。俺はこうやってやったんだからお前もやれよみたいな話になってしまうので、それだとやっぱりやっている側は辛いです。
営業大好き人間の人たちはそこはしっかり自覚するべき、認識するべきです。営業が大好きな人は特殊なんです。だって圧倒的にやりたくない人のほうが多いんです。なのでそういう人たちが自分の成功体験を押し付けるようなマネジメントをしてしまうと、営業がつらい仕事、きつい仕事となってしまうのは当たり前なので、その点を上司になる人達はしっかり理解してもらってマネジメントしてもらえれば、営業はもっと楽しく仕事ができたり営業の仕事の価値は変わってくるかなと思うので、ぜひ上司になったときに、俺は営業が大好きだったなと思う人はその点を踏まえてマネジメントしてもらえればと言うことをお伝えさせていただきたく、お話しました。
