今日のテーマ
営業こそ休め
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
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今日のテーマは営業こそ休めです。なかなか上司も言ってくれません。言ってくれる上司も本音では「もっとお前がんばれよ。」と思っているケースもあったりするので、今日はこのテーマでお話させてもらおうと思います。
営業は休めていない
営業こそ休めと言うのはどういうことかというと、当然営業は休めていないということです。営業職をやっているとなかなか休めない、しっかり有給が取れている、いつも定時であがれていますという人はそんなに多くないです。どうしてもイメージ通り、ブラック企業やブラック営業みたいな体質が営業職にはありがちです。顧客がいる仕事なので、お客さん優先になってしまうがためにそういう状況になってしまうのかなと思います。
私がいた会社でいくと、日中はとにかく社内にいるな、ということがルールであり空気でした。なぜ日中に社内にいてはだめかというと、日中はお客さんが仕事中だからその時間にいないとだめで、ルーチン業務や入力業務、ミーティングは朝、もしくは6時以降や7時以降にやりなさい、という感じでやっている。結果、営業は帰りが遅くなったり、持ち帰り仕事になってしまう可能性が多いということです。
これは当然よくありません。これは営業だけではなくそもそも日本人は休めていませんよということです。日本人の有給取得率は3年連続最下位で日本は50%しか取れていません。休日の総日数は多いですけれど・・・意外だったのはアメリカが71%で日本の次のワースト2位なんです。ブラジル、スペイン、ヨーロッパ系がしっかり有給を取得できています。
なんでこんなに有給取得率が悪いのか、これもおわかりいただける方は多いと思いますが、有給を取る罪悪感が強いからなかなか休みが取れないのです。日本人営業の場合で行くと、そもそも有給以外の土日すら休めていない人が多いので、そういう事も含めてしっかり休みましょうねということで今日はお話できたらと思っています。
プレゼンティズム
プレゼンティズムという言葉があります。これは会社には出社して仕事はしているけれど、体調が良くなくて生産性が落ちていますよという話です。たとえば花粉症の人です。これから花粉症はシーズンだと思いますが、花粉症の人はそれだけで仕事の生産性が落ちているのがわかります。花粉症がきつい人を思い出していただくとなんとなくイメージがつくと思いますが、鼻水がグシュグシュになってしまって、鼻をかんで、頭がぼおっとしてしまって、そういう状況で仕事をしていると当然生産性が落ちます。どれぐらい落ちるかと言うと約5%落ちると言われています。
これは風邪を引いている人も同じくで、生産性が5%落ちます。なので仕事を休みます。休んでいれば体調を管理できているというわけでもないですが、至急体調を整えるということは生産性を維持するためにはすごく大事です。組織単位では生産性、お金をいくらかけていくらもうかったのか、みたいに生産性を考えることは多いと思いますが、個人単位でもしっかり生産性の目線を持たないと結局ズルズル長く働くことが正義になってしまって生産性を意識しない働き方になってしまう。これが悪しき根源です。
長く働くことで生産性を維持することはよくなくて、少ない時間でどれだけ成果を出せるかという目線でしっかり働いてほしいです。
アブセンティズム
もう一個、アブセンティズムという言葉があり、これは欠勤に対するコストです。休めば当然生産性が0になってしまうので、しっかり休んで病欠とかはしないようにすることです。健康経営とよく言われていますが、プレゼンティズムとアブセンティズム、欠勤などから生まれる損失と健康問題から生まれる損失を考えてしっかりと健康でいましょう。健康になることで一人あたり30万円の損失削減ということも出ているので、しっかり個人単位でも健康に気をつかうことは大事です。
休まないと頭が回らなくなる
とにかく営業は休まなければいけません。世の中の働き方という文脈でお話させていただきましたが、よく「顧客のことを考えろ」と言われませんか?言っていることはわかります。顧客のことを考えろと上司は言っているけれど、顧客のことを考える状況じゃない、ということがすごく多いです。たくさん働いている結果、とにかくめちゃくちゃテレアポで電話をかけろと言われたり飛び込みしまくれと言われ、ずっと続けていたら頭が回りません。常にKPIを達成することだけに頭がいってしまっていたり、それだけに時間を使ってしまっているので、人のことを考える余裕がなくなるのは当然です。休まなければならない理由として、頭が回らなくなるというのが1つ目のポイントです。
休まないと情報やネタが集まらない
2つ目のポイントは情報やネタが集まらないことです。テレアポをずっとしていて新しい情報が入りますか?と言えばもちろん入りません。なのでどうやって営業がネタを集めるかと言うと、結局ネットから集めるという話になってしまうので、ネットからネットに出ている情報は当然誰でもアクセスできる情報ですし、誰かが集めた情報、誰かが聞いてきた情報、誰かが書いた情報なのですでに二次的、三次的利用なんです。そんな二次情報、三次情報を営業が自分の言葉のように話したところで、やっぱり情報の質は低いです。
自分の足で取ってきた情報やネタとかも、ちょっと旅行に行ってきたんですが・・・でもいいです。お客さんと関係を築きたかったりお客さんのことを考えたいなというときは、その人のことを考える時間を確保したりその人に役立つ情報を集めるための時間を確保しなければならないので、飛び込みやテレアポばかりをずっとやっていたとしても、当然ネタって集まりません。営業がしっかりお客さんのことを考えるためにはそれのための時間もしっかり確保しなければならない、というところもあるので、そのためには人にやさしくするためには自分が豊かでないとだめです。自分が今大変で辛いのに人にやさしくしろというのは無理なので、しっかり営業は休んでほしいなというところです。
新規開拓偏重問題
ちょっと話は戻りますが、営業がなんで休めないのかでずっとテレアポや飛び込みの話をしていますが、新規開拓に偏重しすぎです。とにかく新規を取ってこい、というところに意識が行き過ぎてしまっているので、結果、人のことを考える前にとにかく飛び込みしてこよう、訪問してこようと言った数撃ちゃ当たる論争になっちゃっています。
KPI偏重問題
これと連動するのですが、KPIの問題もあります。とにかくKPIを達成することは正義でもちろん大事です。KPIを達成しないと事業の計画が成り立たないし利益が上がらないということもあるので、当然KPI達成させるということもありますが、本当にKPIは正しいたて方になっているのかという話です。営業に無理をさせることで達成するKPIは、組織として営業をやっているわけではもちろんなく個人のパフォーマンスに頼っているだけなので、マネジメントしているとは言えません。KPIに偏った営業になっていないか、KPIを変調しすぎていないかということです。
会社・上司の雰囲気問題
もう一つは会社や上司の雰囲気問題です。これも大きくて、昔の働きでいくと、とにかく働くみたいなところが多かったです。とにかく働いた、みたいなところで俺の時代は残業がなあ・・・とか俺の時代は徹夜で・・・みたいことで、上司と同じことをしなければいけないんじゃないか、帰らずに頑張らないと成長できないんじゃないか、みたいな話になりがちですが、本当に休まずに働くことが成長や成果につながっているのか、という話です。
テレアポや飛び込みを否定しているわけではありませんが、テレアポや飛び込みばかりに依存していてテレアポでずっと電話をかけまくっていて成長しているのか、という話です。やったことがない人が電話をかけているということであれば、当然電話に慣れてくるしトークも磨かれて成長できると思いますが、それも一定ラインまでです。同じことを黙々と繰り返すと新しい気付きや発見は当然減っていきますし成長のスピードも遅くなってきます。会社の仕事をこなしているから成長しているという錯覚をぜひなくしていただきたいです。
やはり学ぶ、成長するためには、自分から情報を取ってくるとか自分で新しい気づきを得られるような環境に身を置く、チャレンジするということをやっていかないといけません。やらないと結局成長がないので、休むというのは自分の時間を確保するということなので、そういうところを意識してもらえればというところです。
いつでも辞められる心の準備をする
営業が休むためにどうすべきか、休もうと思っても休めないからみんな困っていると思うんです。休めない理由は結局何かと言うと、上司や雰囲気問題やKPIをなんとか達成させようみたいな無理をしている状況なので、心の準備としては休もうと言うところではなくて、いつでも辞められる心の準備をすることは一番大事だと思っています。
私は新卒で入った会社に4年間いましたが、とにかく3年は死にものぐるいで働いて有給を1回も取っていません。それぐらい働いていました。土日も普通に出社してみたいなときに、これも結局会社に認められたい、上司に認められたい、この会社が全てみたいな働き方をしていたので、休んだら評価が下がると、変に自分にもプレッシャーをかけてしまっていたんです。けれど最後の1年間はもうすぐ辞めるわみたいな気持ちをずっと抱えていたので、そうすると誰に媚を売っていたのだろう、と気づけました。
いつでも辞められる、すぐに辞めましょうということではなく、この会社でなくても他の会社で活躍できる準備をしているとか、他でやっていける準備をしておくことができれば、会社からの評価ばかり気にしなくても、自分が本当にやりたいことだったりやりたい働き方が見つかると思うので、ぜひそういった心の準備だけでもしっかりしておいていただくと休みやすくなるんじゃないか、というところでした。
まずは1日有給を、まずは1日定時上がりを
まずは一日でいいので、有給をとってみてください。または一日だけでいいので、定時で上がってみてください。意外と仕事は回ります。土日出社を前提として考えちゃったり遅くまで仕事をすることが前提で仕事をしちゃっている人は多いと思いますが、やろうと思えば日中で仕事を終えることができることもけっこう多いです。
わたしがそうでした。ただ結局、夜にやればいいや、土日にやればいい、みたいな感じで仕事の進め方を遅くまで時間を伸ばすことで後ろにどんどん押してしまっているために、結局はズルズルダラダラ仕事をしてしまっていたり、仕事が溜まってしまったりということもあるので、1回早めに帰ってみてください。休んでみてください。そうすると要らない仕事とかも実はたくさんあったり、意外と定時や時間内で終わる仕事がたくさんあることに気付けると思うので、まずは一日休む、早く帰るをやってみてほしいと思っています。
営業が休むのはお客さんのためでもあり、営業自身のためでもある
営業こそ休んでほしいというのはお客様のためでもありますし、営業自身のためでもあるので、営業こそ休めという意味で今日はお話させていただきました。しっかり休んで自分の時間を確保していろいろなチャレンジもしてもらいたいし、体調もしっかり整えてほしいなと思います。私にも家族がいて生まれたばかりの1歳ちょっとの子供がいますが、家族との時間も大事にしたいですし、ぜひ自分の時間をコントロールできるそんな準備をしてほしいということで、今日は営業こそ休めというテーマでお話させていただきました。