これから営業をしていこうというときは、KPIを作って数字で考えることが必要です。
でも、これまでKPIを作ったことがなければどうやって数字を入れていったらよいか、わかりません。
はじめてKPIを立てるときは手探り状態でわからないことばかり。
目標達成するためにはどうしたらよいのか、KPIの建て方について考えました。
登場人物
第三営業部部長 ささだ
Hさん
KPIを立てるときは理想でなくて現実に行ける数字かどうか、よく考えることが必要
簡単に作っていただいたKPIについて説明いただいてもいいですか?
一応目標としては8月までに最低8万円、9万円ぐらい、毎月安定的に入る形が取れれば最低いいかなというところで、これを月で割るとだいたい月契約が5件ずつです。週でいくと1件、プレゼンが50%で面談率を仮に20%ぐらいではないかと思うので、週で10件のアプローチを一応設定しています。
取り分が一応3.5%なので250万円の利用料で月5万円以上の売上が50件取れれば、だいたい87500円のストック収入がいただけるかなと言うところです。実際には顧客がどういったところか見えていないところがありますが、仮定としては工業団地やインター近くじゃないかというところです。
ありがとうございます。自分の感覚でいいのですが、いけると思いますか?
これはかなり下げたところなので、一応いけるのではないか、と。プレゼンが50%、面談率20%というこの数字がいければ、週で10件とはいけるかなという感じがしています。
この数字は自分的にはいけそうですか?
そうですね。1週で10件となると1日で1.5ぐらいの数字になるので、たぶんもうちょっと面談を飛び込みでいけば3から5件ぐらいいけるのではないかと思います。面談率20%という数字がクリアできればいけるのかなというところです。
プレゼン率50%とか面談率20%という数字ですが、サービスの提供会社の人たちも営業していますよね?今、このへんの数字の営業資料やトークとかは聞いていますか?
提供してもらっているところからですか?そこはちょっと聞いていないです。
正直言って現時点でこれだと、いくかいかないかはわからないです。テストをしていないので、2割ぐらいいけるだろう、5割ぐらいいけるだろうと数字を立てていただくのはもちろん間違っていなせん。いったん仮でこれぐらいいけるかなとお考えいただくのはもちろんOKです。ただ本当に毎月同じ数字でいくのかという話です。
11月初めて営業に行くという話ですが、その時の数字と10ヶ月たった8月の営業の状況がこれだと同じですという話をしているわけですが、まずはそれでいいのかという話です。プレゼン率が50%というところをまず最初からできるのか、または面談率が20%もすぐできるのかというところで、まずは11月にいきなり達成できるのかというところが1個です。営業で経験を積んでいって10ヶ月たっているにもかかわらず、同じ数字になっているというところも問題です。面談数が月に10件、大もとのアプローチの母数で行くと10社、飛び込みやテレアポでする数は何社見込んでいますか?
月でですか?そこはちょっと考えていなかったです。
むしろ一番の問題がそこですね。面談ができる数が10件、この面談の言葉の定義とはどういう意味を指していますか?
決定者との面談です。
では決定者に会うための最初のアクションは今のところ盛り込まれていないという認識になっていますか?というのが問題点です。要はここでいくと10人の意志決定者に会いたいということですよね。それはいいと思うんです。これ以降の数字に関しての考え方は間違っていないと思いますが、合計10ヶ月間で100人の意志決定者に会います。100人の意志決定者に会うために1ヶ月で10人会いましょうという話だと思います。、これも感覚でOKですが、何人の人に会えば10人の意志決定者に1ヶ月で会えそうですか?
100人ぐらいですかね。
ということは、100人を10ヶ月会うと1000人です。Hさんのご自宅付近にこういう営業ができる人が1000人いるのかどうかという話ですが、いますか?想定している営業の範囲で?
たぶんいると思います。
なるほど。この工業団地、インター付近の法人、個人で営業できそうな人は1000人いるのですね?というようなところまで見込んだ数字にしていかないと意味がないです。
これは数字のお遊びです。お遊びという言い方は良くないですが、数字が20%では低いから30%にしちゃおうとか、もうちょっと受注がほしいからとりあえずエクセル上は70%のプレゼン率にしちゃおうとかいうふうにいじれちゃうわけです。
3.5%で取り分はこれだけというように青写真は描けますが、今回立ててもらった内容で言ってしまうと理想しか考えていないので、現実問題でそれが本当にできるのかどうかがまずわからないというところが一番大きな問題点です。
本当にできるかどうかわからないというのはまずアプローチできる母数がどれぐらいなのか、これはマーケットです。最低1000人から受注がほしいと思ったときには、最低何人に会わなければいけないと思いますか?
10000人ですかね。
これは引っ掛けです。数字で行くと10000人ぐらいなのですが、これは引っ掛け問題なので、1000人から受注がほしいとなると最低1000人に会わなければならないんです。これは受注率が100%だったらです。けれど受注率100%でも1000人に会わなければならないので、受注率が10%なら10000人に会わなければならないんです。要はこれがマーケットなわけです。
そこに市場があるのかどうかを考えないで、ビジネスというものは始めてはいけないです。今回の話も営業代行というか、代理店販売のモデルで営業を考えていこうというのは、それはそれで全然OKです。このサービスを売りたい人が世の中にどれだけちゃんといるのか、Hさんがこれから営業をかけようとしているところにどれだけいるのかをある程度見込んで動かないといけません。
10ヶ月間動こうと今見こんでいるわけですよね。10ヶ月間頑張って営業を継続していった結果、スキルや経験値は必ず積まれていくので、営業力は上がるはずですが、営業できる先に今営業しようと思っているところが全体で50人しかいませんでしたとなると、そこでの営業力を10ヶ月間見込んで置いたとしても売る相手がいなくなっちゃうので意味がなくなってしまいます。そこが問題点の1個目です。
KPIを立てるときはすでに動いている人の数字ややり方を確認する
マーケットをまず見込んでいなかったというところが一番大きい問題で、もう1点はすでに売っている人がいるにもかかわらずそこの人に状況を確認していないというのが2番目の問題点です。これは聞けますか?それとも聞けませんか?
たぶん聞けます。
だったら絶対聞いたほうがいいです。営業でもビジネスでも何でもそうですが、一番成果が出る動きは何だと思いますか?
できている人のまねをすることですか?
そうなんです。できている人の動きを徹底的に真似すれば、基本的には同じ成果が出るはずなんです。サービスを作った側でいけば、自分の代わりに試行錯誤してくれているわけです。ある程度自分たちでも売れたから売ってもらおうと基本ビジネスは考えているはずです。そうあってほしいんですが、そうじゃない会社もあるので気をつけてほしいです。とりあえず良さそうだから人にも売らせてしまえという考えの会社は5万とあるので要注意ではありますが、そのときに100人にアプローチしたら10人に会えて10人意思決定者と話ができたら2割プレゼンができて、そこからの受注率が5割で半分は受注が取れて、という形で考えれば、これが本当かどうかを先に確認しておかなければいけません。
すごいダメ出しをしてしまって恐縮ですが、まずはマーケットをしっかり確認するという動きとすでにやっている人たちの数字ややり方をまずは確認するというアクションを取らないと、個人事業主としてフリーで動くというところを目指していますよね?そのときに成果が出しづらい、または成果を出すまでにすごく時間がかかってしまうので、すごくもったいないので、その点を意識していただきたいなという感じです。
同じ1件でも個人と法人では数字がぜんぜん違う
後、一番気にしているのが、毎週100人に会おうとしていますよね。毎週100人本当に会えるのかが正直不安です。100人×4週で400人なので400人を10ヶ月だと4000人いるかどうかということと、Hさんの限られた時間の中で100人に毎週会い続けるみたいな事が本当にできるのかを考えていったとき、この商材がいい悪いを一旦考えているわけではないですが、本当にこれをやるべきなのかということも含めてちょっと考えたほうがいいと思います。全然悪い商材ではないと思いますので商材自体は良いとしても、Hさん的にはいい商材かというよりも稼ぎたいというところに重きをおいているんじゃないかという認識が個人的にしているのですが、そこは合っていますか?
そうですね。
そうですよね。これは1件受注を取ると結局いくらの稼ぎになるんですか?
1件というよりも利用額です。だから本当に1件でも取ればいいです。一部上場の使っているところとか、当たれば大きいでしょうけれどたぶん分時間はかかります。
工業団地に一部上場企業はいますか?
めったにはいないですが、上場はしていないけれどそれぐらいの規模の企業とかならあると思います。
ちなみに月5件の受注を継続して取っていって、平均して1件のお客様がどれぐらい使っているかはわかりますか?
この前ちょっと聞いたのが15万ぐらいです。
全体の平均ですか?それとも使っている合算ですか?そこは聞いたほうがいいですね。15万円の3.5%が手数料としてもらえるということですよね?15万が利用だとHさんのところに入ってくるのは5250円ということですよね?Hさん、車で普段高速に乗りますか?
仕事では乗ります。
月に高速代金は一人でどれぐらいですか?
一人だと4、5万円です。会社だと10数台あるので×10という感じかな。
そこもちゃんと考えないとだめです。契約件数を個人で、例えば一ヶ月で1万円ぐらいしか使っていない人に売ったとしても、3.5%は350円、個人に営業をしていると積み上げで毎月350円が入ってくる、これが毎月続く、どこまで続くかという話もあるので10ヶ月を仮に続けてくれたとしても3500円じゃないですか。これは契約件数だけで見ちゃうと毎月5件ずつ積み上がって、10ヶ月で50件入りましたという幸せなモデルに見えますが、仮に個人で受注を取りました。350円が50件だと17500円が毎月入る、そもそも1ヶ月にいくら稼ぎたいですか?
20万ぐらいは稼ぎたいです
そうですよね。なのでざっくり2万円だとしても10倍稼がなければいけなくなるので、10倍続けるのか、10倍行動量を増やすかになっちゃいます。月1万円というお客さんはそんなにいないと思いますが、そうなってくるとマーケットの話に戻りますが、どれぐらいお客さんがいるかがやっぱり大事になってくると思います。
一部上場の企業が当たればというところで、当たればもちろん大きいとは思いますが、それであれば一部上場企業に限って営業をしていくみたいなふうに考えていかないといけない。1件の平均がどれぐらいかというのは個人と法人ではぜんぜん違うと思います。面談率、プレゼン率、受注率も全部変わってくるはずです。なのでこの数字で行くと全般的にちょっとざっくりしすぎているのと、稼ぐモデルとしてはこれでは稼ぎきれません。月の5件の契約が個人から取ろうとしているのか、法人から取ろうとしているのか、法人でも1件いくらのお客さんを見込んでいるかで全然変わってきます。
毎月2万円ぐらいの、一人あたり2万円だとしても、それが20人いれば売上は20万円になります。それもそこそこ大きいです。20万円の3.5%なのでそれはそれでいいと思います。毎月7000円、そういうお客さんが50社いたら、35万円、これだったら目標達成できますよね。こういう発想だったら全然ありですが、個人も全部含めてとりあえずテレアポと飛び込みがんばります、みたいな感じで動いてしまうと、稼げないお客さんにたくさんあたってしまうという可能性も全然ありえるので、そのへんも踏まえてもう一度練り直ししていただいたほうがいいかなと思います。
たぶんサービスの提供会社に確認するにしても、平均の受注率というところだけ聞いてしまうと、個人と法人とごっちゃにして受注率という感じで見れば、個人を含めちゃえば意志決定が簡単なので当然上がるはずです。なので個人から数百円を何百人から受注しますという考え方も間違っていないと思います。それを狙うのだったらそれはもちろん狙っていったほうがいいですし、逆に法人で1件あたり10000円から20000円で、そういうお客さんを目指しますだったらそれはそれで動き方も変わってきますし、平均のパーセンテージもしっかり確認しておかないと、何社に当たらなければいけないかもわからなくなっちゃう。
そもそも自分がこれから営業しようと思っているエリアに企業が4000社必要なのに、調べたら500社しかいなかっただったら、そもそも計画倒れも見えてきます。この計画が本当にいけるかを検証するためにも、ちょっと個人と法人をしっかり分けてもらうのと、客単価の平均をしっかり算出して受注率を見ていくみたいに分けていったほうがいいと思います。シート1で個人用、シート2で法人用を作ってみてあわせて合計でいくら稼げているのかを見ていくとか、そうやって見ていったほうがいいかなと思います。
というようなところがまず20万稼ぐというお話だったので、そういう目線で考えると計画が粗いという感じがどうしてもします。1社からいくらもらおうとするのかを真剣に見ていかないと、営業が本当にできるのか、動き方が変わってきますので、その点も踏まえて計画を立て直していただきたいです。あとはHさんが自分で計画を立ててみてどうですか?ここがわからなかったとか、そういうところはございませんか?
全くわからずに立てたところもあったので、ざっくりはしていましたが具体的なところまではどう立てたらいいのか、わからないというところもあったので、
とりあえず立ててみたという感じですよね。
そうです。初めてだったので、いろいろな動画を見ながらこんな感じかなと。
いいと思います。最初なので全然いいですし、これが悪いわけではなくて、スタートとしてはこういう感じになるのはもちろんなので、そこから具体的に落とし込んでいくときに
これで良いのか悪いのかを見ていければよいので、現時点ではそれでOKだと思います。まずはサービスの提供会社に確認していただくのと、単価を含めて、そこから稼ぎたい金額にちゃんと届くのかどうかというところを含めて数字の算出をまたしていただきたいなと思います。
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