【営業勉強会】営業のロープレをして営業の進め方を再認識しよう

転職をしてこれから新しい会社で営業として頑張る!でもその前に何か準備すべきことはないだろうか?

そう考えたときに、見直したいのが自分の営業の進め方です。

営業をやっていく中で、どのように話を進めていけばうまく受注までこぎつけることができるのか、ということを悩んでいる営業マン、営業ウーマンは多いです。

お客さんにどう話をすればいいのか、営業のロープレを通して営業の進め方について考えました。

登場人物

 営業コンサルタント ささだ

 Aさん

営業ロープレ1 指差しできる変わった形のボールペン

 それはいくらだった?

 200円ぐらいです。

 じゃあ、200円、値引き無しで営業スタートしよう。制限時間は何分欲しい?

 1分ぐらいで、

 では始めてください。お願いします。

 今回ご紹介するのはボールペンです。見てのとおり普通ではないボールペンですが、オンラインで商談することの多い笹田さんにとってメリットとしては一つ、人を指差しできることです。学会のときに矢印があるとよりわかりやすく相手に伝えることができます。

2点目としてはボールペンの太さが1mmぐらいありますのでより大きく文字を書ける、思考を整理するときに細かい文字だと少し見えづらかったりすると思いますが、より大きく書くことができることで整理もされてくるかなということです。これを作っている会社は●●社で、サラサラ書くときに0.7mmで書きやすいボールペンがあります。そこが出しているボールペンなので書き味もすごく良く、一本持っておくとアイデアをまとめたりするときと商談にも使えると思います。200円です。

 今ので1分44秒だね。自分でやってみてどうですか?

 まずまとまりきっていないと思いました。これといって押しどころがわからないな。

 仮にもう一回やるとしたらどこを直す?

 メリットを一個だけにして、そこに対してもっと使う場面をイメージできるように話すようにしたほうがいいかな。メリットを明確にすることと使う場面をイメージさせるような具体例、一個のメリットに対してその事例というかこういう場面で使うといいですよみたいなことを伝えると良かったかなと思います。

 なるほど、今の自分の改善点はすごくいいところだね。メリットを明確にするということと、使う場面をイメージさせるというところ。

今提案してくれたやつがボールペンの提案です。提案理由としてはざっくり3つだよね。一つは不思議な形をしていて指差ができます、2つ目が太めの書き味で頭の整理ができます、3つ目は●●社が出しているので書きやすいです、これだとふ~んで終わる。

 そうですね。

 今のはメリットの提案だけれども、お客さんはメリットが揃っているから買うわけじゃない。今言ってくれたのはメリットと言うよりも機能だよね。今の提案はメリットと機能とベネフィットが全部混ざっている。お客さんが物を買うときはどれで買うと思う?

 ベネフィットですかね。

 そう、そこが買う理由。メリットや機能は何だと思う?

 メリットや機能は商品内容で買う理由ではない?

 買う理由の根拠はベネフィットを提供できる根拠になるものだから、今の話でいけば、●●社が出していて凄く書きやすいんですと言うメリットや機能があるからこうなれます、頭の整理ができますというところで、ベネフィットは買う理由。買う理由はどうやって決まる?

 コスパが良いかどうか、自分の生活が豊かになったり、効率化ができるとか?

お客さんに必要だと感じてもらうことが必要

 もっと簡単に言うと、買う人のやりたいことができるかどうか。今言ってくれたようなコストパフォーマンスは一つだよね。豊かになれるということが一つ、頭の整理をしたいとこちらが言ったとしたら、それが買う理由だよね。まず営業のロープレをどう捉えていたかな、というのが説明不足だったけど、今のやり方だと俺の買う理由を確認していないよね。だから今のは営業ではなくてプレゼン。お客さんとのコミュニケーションの中で、最終的にお客さんになんと言ってもらったらいいと思う?

 買いますですよね。

 買います、またはAくんにお願いしますということを言ってほしい。今の営業の流れだとそれを言うタイミングがない。結構そういう営業をしている人が多い。

今回おすすめしたい理由が3つあります。1つ目、特殊なペンなので指差しができます、2つ目、太めの書き心地で頭の整理がしやすいです、3つ目、●●社が出しているやつで書きやすいです。どうでしょう?うん、検討しますとなるよね。

この3つの機能があるから、○○さんがやりたいと言っていた頭の整理ができるというのも、頭の整理をするもう1個先があるはず。生きている中で頭の整理をしたいということは漠然と思うわけではない。例えば経営者だったらもっと経営効率を上げたい、売上を伸ばしたい、社員の人間関係がおかしい、そういう問題を整理したいから頭の整理をしたいはずだよね。

「さっき笹田さんがおっしゃっていた会社で悩まれていることがあるという話ですが、それをまずは頭の整理をしっかりしていただいて、書きやすいですし太めのペンで見やすくなっているので、書き出してもらった結果、問題もちゃんと明確になると思います。問題が明確になれば笹田さんもきっと解決できますよ。そのために私が今回使っているペンを笹田さんに200円でお譲りしたいので、ぜひ使ってもらいたいです。200円ですよ。200円で御社で抱えている課題が解決できたら2000万や2億の問題が解決できるんじゃないですか。」みたいな話をして、それがコストパフォーマンス。200円以上の得られるものがあるから人はお金を出す、そこまでちゃんと言ってあげて、これだけのことができるのだから笹田さんに今回はペンを買ってもらいたいと思っています。

買っていただけますか、買いましょうなのか、私のことを信じて下さいなのか。買う理由は表面的だけの理由を言っているとお客さんに買う理由を考えさせてしまうので、「これだけのボールペンなんです。書き心地よし、太めで整理もしやすい、不思議な形で指差ししやすい、さあ使い方はあなた次第、どうぞご自由に。」と言われても、「それは検討します。」となってしまう。だから機能の説明は最後でいい。

お客様の悩みをヒアリングして、共感し、最後に営業に入る

 俺が仮にAくんのペンを提案するとすれば、「今Aくんの悩んでいることはなんですか?」とヒアリングをして、例えば「転職活動で悩んでいます。」と回答が来たら、「その転職活動の悩みを私が絶対解決させますんで。」ともう少し詳しく聞く。

ちなみに「転職活動で何を悩んでいるんですか?」「うまく職務経歴書が書けなくて。」「いやわかります。」と共感を示す。

「職務経歴書は今パソコンで打たれていると思うのでボールペンを使うか使わないかはあまり関係ないと思うんですけれど、一番最初に職務経歴書をきれいに書こうと思って、いきなりパソコンでやる人は多いです。でもまず頭の中身を整理して書かないと、ぐちゃぐちゃの職務経歴書では相手側もよくわからないですし、自分も面接で話さなければならないのに整理されていない職務経歴書を見て話すことには限界があると思います。

まずは職務経歴書で良いものを書きたいということであれば、まず手書きで職務経歴書を書いてもらって、もしくはマインドアップでも良いかもしれません。頭の中を整理するためにまずは自分で書き出してみる、そうしてもらえればまず自分が書きたい職務経歴書の骨子が見えてくるので、まずそういうところから職務経歴書を書くことを進めていってもいいんじゃないかなと思います。

書くに当たってペンでストレスがあるとイライラしてしまうのと、気分よく整理ができるんだったら気分良くやりたいじゃないですか。そこで私が今回ご提案したいペンがあるんです・・・」、というところは本当に本当の最後。考えてみてください、「今Aくんの年収はいくらですか?」例えば「年収200万円の人がいるとすると、年収200万円とおっしゃっていたじゃないですか、今回の転職が成功して、25歳の人が年収400万円か500万円もらうことはザラなので、200円のボールペンで年収が200万円上ったら、これって夢と希望を感じませんか?」と言う話をする。そこが価値だよね。

転職活動を成功させたい、年収200万円ぐらい上がったらいいと思いますよね?思いますと言われたら、それを実現させるのが私なんです。もっと言えば今回提案している内容が実現させるためのツールなので、私の提案に乗っていただけませんか?という話をしてやりましょうとなる。

Aくんが今提案してくれたのはメリットや機能で、それも大事だけれど多分それは最後。私が提案したことが実現できる、提案したベネフィットが実現できる理由は、こういうメリットや機能を持っているツールなんで実現できるんです、こんだけのことがあったら逆に今できないなんてことがあります?ぐらいのことを言わなければだめ。それだったらできそうだね?任せても大丈夫だねと思ってもらえるから受注になる。Aくんが物を買うときはどういう気持で買う?

 そうですね。必要性があって買うか、欲しいと思ってテンションが上って買うのどちらかだと思います。

 そういうこと。必要だから買うのだから、必要だと感じてもらうことが大事。必要性を認知する、それが実現できそうだという期待を持ってもらう、確かに転職したほうが良いかもしれない、必要だなと思うよね。笹田に相談すれば実現できそうなことがあるかも知れないなと思います、だとすると、お前じゃ無理だろと思われたら確実に買ってもらえない。だからここで信頼が必要。さっきのメリットや機能を伝えるのが信頼の部分。

後は実績や事例を伝えるなどやり方はいろいろあるから、例えばこのペンを安倍晋三が使っていますと聞いたら、まぢか!っと思う。それは人の信用を借りてという形になるけれど、そういう動き方、提案の仕方もあります。最後の行動も一押し。だから買ってくださいだとストレート過ぎるから、私を信じてくださいとか、これを使って一緒にやりたいことを実現しましょうとかを伝えていかないと、お客さんはなかなか動いてくれない。と言う話です。

だから今の話で行くと信頼の話を薄くして終わっちゃった。順番は大事だから、うちの機能はこれとこれだから買ってくださいでは買ってもらえない。売りに来たと思っちゃう。必要だと思うからちゃんと話を聞こうという気持ちになって、この人だったらちゃんとやってくれるかも知れないという期待を持つからその人の品定めをする。品定めが終わったらじゃあやるかという行動に動くわけだから、順番を逆にして、じゃあ私がこれから売るペンを買ってくださいと言ったら、何を?となる。この新手の手段も営業のやり方としてありかも知れないけれどスタンダードではないので順番を意識して営業をしてほしいというところです。

必要性をちゃんと伝えること、必要性の訴求がちゃんとできる状況までヒアリングしないと話を進めちゃいけないということ、よく言うのが「今回打ち合わせにお時間をいただきましてありがとうございます。今回ご提案させていただきたいと思うのですが、少しヒアリングさせていただきたいのですがよろしいですか」「ああ、どうぞ」と進む。ヒアリングをして質問を投げかけて今回ちなみにお悩みのことをなにか教えていただけますか」「今は特になにもないんだけどテレアポでちょっと会ってくれと言うから」「今ちなみにお悩みのことは?」「いや特に」「ああそうですか」「ちなみにいまやりたいこととかありますか?」「いや特に」「ああなるほど、そうなんですね」法人営業ならなおさらあるから。暇だからたまたま合ってくれたんだよね。言ってこの状況で「ああ、わかりました。一旦弊社のことをちょっとご紹介させていただきますね」と提案したところで絶対買わないよね。だったらもう帰っちゃったほうがいい。

 そうですね。そういう企業ってあるんですか

 ある、ある。全然ある。本当に暇なんだな、と。そういう人に会わないようにする工夫も必要だけれど、そういうところも意識をして営業してもらうべきかなと言うところでございます。

営業ロープレ2 iPhone

 次はiPhoneでやろう。今ちょっと話したことを意識して話をしてもらえればなと思います。iPhoneの営業は一旦規格を無視して特にお金の話をしなくてもいいから、必要性の認知を相手にさせて、何を期待させるのかがベネフィットの提案だよね。ちゃんと信頼を担保して買ってください、と言うところまでちゃんと言えるように。

 わかりました。

 準備ができたら言ってください。

 大丈夫です。

 では、一旦時間を気にしなくていいから始めてください。お願いします。

 いつもお世話になっております。今日はお時間をいただいたんですけれど、笹田さんは最近会社を立ち上げたということでいろいろ精力的にやられているとおもいますが、やられている中でつまずいているとか、改善したいと思われていることはありますか?

 改善したいことね、たとえばどんなことがありますか?

 たとえば実際にやっていく中で、事務処理の効率が悪くなっているとか、

 それもありますね。ちょっと依頼している人数が増えてきているとか、ゼミに参加してくれている人数も増えてきたりしていて、コミュニケーションコストが上がっているなと言うことは感じますね。

 なるほどですね。現状はどういった形で対処されているんですか?

 対処は気合で乗り切っています。

 そうなんですね。マンパワーで乗り切っているような。

 まさにそんな感じですね。

 そうなるとかなり時間もかかりますよね。

 時間は取られていますね。

 大変ですね。そこのところが時間コストが削減できたらなにかやりたいことはありますか?

 時間が増えればもっとブログを書くとか、営業代行のクライアントのもうちょっと違う策を考えたり、いろいろやりたいことはたくさんあるんですけど・・・

 ブログを書いたり、営業代行の仕事もやっていきたいということですよね。最近アップされたブログでオンライン商談の記事を上げていましたよね。とはいえ日本企業とは実際に会わないと、なかなか動いてくれないというのが現状ですよね。

 そうなんですよ。

 そういうお話をされていましたけれど。

 なにかオンライン商談のツールだけが成長しても、その中のリテラシーが上がっていないのでそもそも広がらないんじゃないかという課題を感じています。

 そうですよね。これだけITは発達していますけれど、使う側は使いこなせないと話にならないですよね。

 まさにですね。

 その中で商談は減らしていくべきだとおっしゃっていましたが、より密度の高い商談をしていくことが大事だということですよね。

 会うだけとか、名刺交換だけとか資料を渡すだけとか、そういう薄い商談をなくすというところで、新規開拓のコストを減らすことはすごく大事な部分だと思っていて、そういう意味を込めてああいう記事を書かせてもらったという感じです。

 なるほどですね。ああいった記事は笹田さんご自身で書かれていますが、人に委託したりとかは考えられていますか。

 ブログの記事はブログライティングに関しては自分の言いたいことを書いているだけなので、あまりそこを外に切り出すことは難しいかなと思っています。

 やはり笹田さんにしか書けない部分もありますよね。

 そうですね。あそこを変に書き出しちゃうと、私の存在自体がおかしなことになってしまうので、信用して読んでくれている人とか、ファンでいつも欠かさず読んでくれている人とかを裏切ることになっちゃうので、自分で書くという感じです。

 そうですよね。自分自身が情報発信しているものが価値だと思うんですが、日々いろいろな方から相談を受けることも多いと思うのですが、相談の内容の中で来る質問やパターン化されているものはありますか?

 ありますね。

 そうですよね。今やっている仕事の中で、特に注力していきたいということを考えるとブログを書くということと営業代行の商談とかに注力できたら、生産性として上がるとお考えですか?

 他にもいろいろやっているので、自分じゃなきゃいけない業務に集中できる、コアの業務に集中できる状況を作りたいなと思っています。

 笹田さんの中でコア業務とはどのあたりになるんですか。

 基本的には経営の業務です。実務から離れるというところはいま戦略の中では考えているところです。

 そうですよね。ブログは自分で書いて、営業代行の仕事とかは自分は回す側に回って他のスタッフにやってもらうことを考えていますか。

 ざっくり言えば。

 なるほど。コア業務に専念できるような環境が作れたらいいということですよね。そうすれば生産性も上がって、より笹田さんがやりたい営業マンの価値が上がってプロダクトの価値が上がっていく、事により専念できるということでしょうか。

 そうですね。

 いまネックになっていることは、コミュニケーションの工数が増えている点と、他になにかありますか?営業に注力できていない理由は?

 まあでもそこですかね。一番は。

 コミュニケーションの工数が増えているところですね。それを解決できるとしたら、よりやりたいことに注力できると思うのですが、今回提案したいのがまさにそれを解決できるようなiPhone7です。できることはさっきお話に出たコミュニケーションの工数を減らすということです・・・

ヒアリングの前には仮設を立てて、ヒアリングをする中で仮説が正しいか確認していく

 さっきよりは良くなったね。ヒアリングの前提がなかったからヒアリングが散らかっていると思ったけれど、今どこを目指して質問してくれているのかわからなかった。たぶん自分でもよくわからなくなってきていたと思う。

今のをざっくりまとめると、「クライアントの課題は、コミュニケーションの工数が増えているのをマンパワーで乗り切っていることだということはわかりました。Aくんの提案がベネフィットとしてコア業務に専念できる環境を作りますよ、そうすることで笹田社長がやりたいと言っている営業の価値、プロダクトの価値を上げる仕組みづくりに専念できるので、それができればうれしいですよね。」みたいなところまでがいろいろ遠回りはしながらたどり着いた一つの答えだと思う。そこまではまず良かった。そこに1つの答えが出たことがよかったかなということがありつつ、ヒアリングがちらつく理由が一つ明確にある。何だと思う?

 どこが自分の中で着地があまり定まらないまま言っていることが一個と、質問がより短い質問でより相手の自分の得たい質問を聞き出せていないところがあるのかな。後は深掘りが・・・

 その考えで行くとヒアリングは失敗しちゃう。ヒアリングの考え方を伝えておくと、ヒアリングは仮説の検証で、自分が持っている仮説が正しいかどうかを確認することがヒアリング、だから今散らかってしまった理由は仮説がなかったからというただそこだけ。

営業に行く前にはまず仮設を立てて訪問しましょうという話で、仮説もきっとこうだで終わるのではなく、一番可能性が高いことはこれ、二番目これ、3番目はこれみたいな形で、3つぐらいはこうじゃないかという可能性はちゃんと作っておく。それが本当かどうかをいろいろな方面から説明することによって確認することがヒアリング。

ヒアリング=質問すること、深掘りすることみたいに捉えちゃっている営業は結構多いけれど、そうなると質問することが目的になっちゃうから、何を聞いているんだろうという話になってしまう。それが今の結果だけど、あるあるだから全然いい。

気をつけなければいけないことはこれから法人営業をしてお客さんと直接話をする機会が増えると思うけれど、この人はきっとこういうことで悩んでいるはずだ、こういうことで悩んでいる=これを解決できるからうちを使ってくださいね、と言いたいわけだから、ここに繋げられるような質問をしていくということ。

たとえば、砂漠でたまたま目の前に誰かと会いました、身なりはきれいそうでめちゃくちゃ汗をかいています。身なりはきれいだけれどやせ細っていて、すでにヨレヨレで木の棒につかまりながら杖のようにして歩いている人がいたら、Aくんはどういう仮説を持つ?

 身なりはきれいなんですよね。

 身なりはいいや、一旦気にしなくて。砂漠で汗だく、やせ細っている、ヨレヨレで木の棒を杖にして歩いている人を目の前にしたときに、この人はどんな状況だと思う?

 何日も飲み食いをしていない?

 まさにそう。どちらかと言うと水を飲んでいないという形でいいと思う。その状況で一番欲しいものは水だろうとなったら、何を営業する?

 その人になら水ですかね。

 ということ。そういう仮説を法人だったらなおさらホームページを見ておくとか、直前の関係性とか、フェースブックでその人のプロフィールを見ておくとか、いろいろなことをチェックして、この人はきっとこういう人だ、こうであるはずだ、砂漠を例にあげると一番わかりやすい。

情報があればきっとこの人はこうであろう、だから提案すると言う仮説がたてられる。今、目の前で砂漠でやせ細ってよれよれで、きっとしばらく水を飲んでいないような人がいたら、「大丈夫ですか?私は水を持っていますが飲みますか?」これはヒアリング。この人はしばらく水を飲んでいないから水を飲みたいはずだというヒアリングをする。

けれど仮説のもう1個として、いや修行中で一切水を飲まないようにしているかもしれないことも可能性としてはある。けれど歩いているわけだからどこかには移動したいはずだ、と思ったら、ヨレヨレで本当に目的地までたどり着けるかどうかわからない。きっと目的地にたどり着けないはずだ、と思ったら2つ目の仮説として絶対水を飲みたいと思うはずだから、「水を飲みたいですか?」とヒアリングを入れる。

「今修行中なので水を飲まないんです。」と言われたら、「ああそうだったんですね。失礼しました。ちなみにいまどこかに向かわれていますか?」これが2つ目の仮説のヒアリング。「実はそうなんです。隣町まで歩いていかないとだめなんです」「隣町までは10km歩かないとだめですよ。もし修行のお邪魔じゃなかったら、移動するお手伝いをさせていただきたいと思うのですが、どうでしょうか?」というのは2つ目の仮説の深掘りをしていること。

仮説の検証は最初の仮説を確認する、○だったらそれをより深く聞いていってそれが正しいことを確認する、それが違った場合は2番目の仮説を確認してそれが正しかったらそれを深掘りしていく、永遠にそれが続いていく、☓だったら3つ目の仮説、全部違ったら、なんかわたしが初めてお付き合いするお客様のパターンなのでよくわからないので・・・みたいなことを言ってゼロから全部聞いていくこともできる。仮説の検証をしていくということはそういうこと。

そこまでできた上でヒアリングが出来て、この人の課題がそうだったな、と仮説を検証していくことによって相手側もここが一番の課題だったんだなと気づける。ヒアリングはプラスαで相手に気づきを与えることでもあるから、だからこそより仮説が大事。というような意識でヒアリングができると、より提案として価値が上がる。というようなところが営業ロープレーでした。ちょっとイメージできた?まだまだということがわかってもらえればいいでしょう。何か質問ある?

法人営業において、仮説を立てるためにやるべき情報収集とは?

 法人の営業で情報収集というところでホームページやフェイスブック、フィリップ以外で、仮説を立てるためにやっている情報収集はありますか?

 競合を知ることかな。競合と同じ悩みを抱えているはずだから競合他社がどんな動きをしているかを確認しておいたほうがいい。自分の町の八百屋さんが野菜の金額が上がっていて利益が上がっていない状況になっているとして、隣町の八百屋さんはどうなっていると思う?

 儲かっていないですかね。

 多分一緒だよね。野菜はもともと高騰しているから、自分と同じことをやっている人は基本的に同じ悩みを抱えているはず。目の前のお客さんからわからなかったとしても、競合の企業さんや関連する企業さんがどういう状況か、どういうことをやっているかにアンテナをはっておくと、次にやるべきこととか、相手がこうじゃないかという仮説が見えてくる可能性が高い。だから目の前のお客さん単体の活路を明確にすることは難しいから、同業者にアプローチすることは得策で、営業の質が上がりやすい。

Aくんはこれからいろいろな会社に営業をすると思うけれど、いろいろな会社に営業できる営業マンほど、いろいろな会社に営業しないほうが良くて、WEB業界にアプローチして、保険業界にアプローチして、介護業界にアプローチしてみたいなことをやってしまうと、いろんな業界で抱えている課題が変わってきちゃって営業の質自体が上がらない。介護業界に特化して営業をしていったら、介護の情報がいろいろ入ってくるようになるからそういうふうに営業の質が上がってくるので極力絞って営業していくということもポイントの1個目であるかな。

後はニュースを読んだときに「ふうん。」で終わるのではなくて、この業界はこの影響をけっこう受けるんだというふうに自分のお客さんがこの法律の変更や海外の株価の暴落が起こったときにどういう状況になるかを考えると仮説が立てやすい。目の前の人だけじゃなくてマーケットの市場や世の中がどうなっていくのかというところから仮説を考えていくみたいなことも1個、そんな感じかな。

 ありがとうございます。前回先輩社員がおっしゃっていたのも、仮設を立てる理由としてマーケットや大枠をちゃんと掴んでおくことがあるんですかね。

 たぶんそうだと思うよ。大枠を掴んでおかないと、そもそもそれが前提だから。日本が島国というのは大前提、だから鎖国文化になりやすいところがある。突然鎖国文化にはならないわけで、何かしらそういった問題が起こる原因があるはずだから、原因を捉えておくという意味でニュースや大局的な情報をちゃんと知っておくことはすごく大事なこと。そういう意味合いもある。

2008年に派遣スタッフが大量に首を切られたということがあったときに、派遣会社さんが大変ではなくてリーマンショックが起きたことが問題の根源にありました、リーマンショックが起きた結果、世の中の景気が悪くなってしまって、売上が立たない。売上が立たないから会社は利益を維持するために社員をどんどん切りました、これって今だからそうだよねとわかるけれど、事前にそういった情報を捉えておけば、問題は派生して起こるし、リーマンショックが起きた1ヶ月後に人材業界に打撃が起きたみたいなことになるから、先に世の中にどういう事が起こるのかを知っておけば、動き方が予想できる、予想できれば対策が打てる、というイメージかな。

まずは話をしたとおり、やらなければならないことは、まずプレゼンをいきなりしないということ、相手に対してちゃんとベネフィットを提案して、そのベネフィットの根拠であるきのうやメリットをちゃんと伝えることを意識すること、ヒアリングは仮説の検証であるということの2つを理解してもらえると営業の質が上がると思うので、その点を意識してもらえるといいと思います。

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