営業4.0実践ゼミではメンバーのこれまでの経験で「やっちまった」「こんな失敗したことある」という体験談をインタビューして、同じ過ちをしないための教訓をインタビューしています。
今回インタビューさせてもらったのは、営業経験24年のふくさん!その生々しい体験記をご紹介します!
登場人物
営業4.0実践ゼミのアイドルさや姉
営業24年 営業のベテラン、ふくさん
年末に大きな仕事が最後の最後でひっくり返った
では、ふくさんの自己紹介から。社会人経験と営業年数と自己PRを簡単にお願いします。
千葉県在住、家族4人で暮らしています。社会人経験は24年、営業経験はトータルでその24年になるかな。1部マネージャーとかそういった業務もしていましたけれど。入社したところがコンピューター関係のメーカーで営業をスタートして今現在は社員教育の営業をやっています。営業兼講師ということで現在もやっています。扱っている商材というのは企業様の研修で、新人研修とか管理職の研修、営業研修、様々です。
けっこう幅広いですか?
そうですね、基本的にはBtoBが多いです。
お客さんはどんな企業が多いですか?
平均すれば社員数が100名から200名というところですが、一部大手もありまして、そういった大きなところで、毎月新入社員が200人ぐらい入るところを担当して新人研修をしています。大手から中小までやっています。
契約一歩手前まで行ってだめになってしまった
わかりました、そんな中、最近のやっちまったという失敗談を教えてもらってもいいですか?
12月末に不動産業界のかなり大きな系列で、地主さんにアパート立てませんかとか話を持っていくところがあるんです。いわゆる不動産投資と言われているところで、200万から300万もらえれば企業さんの研修でも大きな方ですけど600万の案件があって、契約一歩手前まで行って会社でも間違いなく取れるだろうということで喜んでいたところだったのに、最後の最後でひっくり返りまして。
人事の取締役と話をして新入社員に新たにこんな研修をしましょうとなったんですが、現場の営業の本部長と人事が最終的に話をした結果、営業にもっと沿った新人研修をやってくれと言う形になって消えたんです。その会社は去年は新入社員を200名採用してその中の3分の1が10月ぐらいに辞めたらしいんです。今年は210名新入社員をとっていて、去年は営業研修とかはしたんだけどマインドとかそういうところをやっておかなかったので、それをカバーするためにもっとマインド系の研修をとなり、わたしたちはそれもできますので、わかりましたとマインドの話をしましょうということで話が進んでいたんです。
それは600万近くの研修を提案していたときに受注できそうだったのに営業のマネージャーがだめって言われた後の話ですか。それとも同時進行?
人事の方からマインドの研修をしようと決まって、やりましょうとなって、人数を決めて費用的なものも契約書をもらうところまで行っていたんです。でも最後の最後に営業の人が入ってきてマインド研修よりももっと実用的なスキルをつけるものをとなって。
いろいろ話し合ったんですけど、結局は会社の中で営業は強いんです。ほぼ営業マンで営業の成績が会社の業績につながるので、やりたかったけれど営業本部長の鶴の一声でなくなったんです。大きかったんですよ。12月の目標を立てられましたし、最後いい形で締められたなと。それが取れなかったんでテンションがすごく落ちて、しばらくやる気が起きなかった。
そこがしくじりなんですけど、ここで何をやっておけばよかったかというと、営業の本部長の力がどれぐらいなのかをわたしたちが甘く見ていて。人事課がストレートに来てお願いしますとなったのでこれで会社の中で通るだろうと思っていましたけれど、まさか営業の反対があると思わなかったところがあって。営業本部長に会っておくべきでした。
そうですね、でも相談中には、研修を決めるときに誰に確認するか話はなかったんですか?誰に通すかみたいな。
どんな内容にするか意見は聞きますみたいなレベルだったんです。マインドの研修の中にもどんなものがいいか、意見を営業の現場から聞きますみたいな。
そこまで力が強いと思っていなかった?
思っていなかった。こっちは人事の取締役が来ているじゃないですか、社長の下なんですよね。でもそこも甘かった。社長と面談をして社長とそこまで話をしていたらひっくり返らなかったかもしれないけれど。
そのあと営業本部長にあわせてくれというのはできなかったんですか?
アプローチもしましたけれど会う前のところでひっくり返ってしまっていたので彼とはもうアポイントも取れなかったんです。
1回も会わずに?きついですね。
あの手この手と、そのあともフォローしましたけれどやっぱり営業本部長は出てこなかったです。営業本部長に会う、次にできるアプローチはそこでしょうね。でもその営業本部長は叩き上げの強烈な人みたいで。
決定権が誰にあるかは聞いておくべき
そんな感じですね。話を聞くと。この案件について誰が関わっていて誰の影響が強いのかはどうやって見極めたらいいんですか?
やっぱりそこだと思うんです。今回の決定権は私は思い込みだったかもしれないですけれど、ほぼ人事部長の取締役だと思っていたんです。
しかもそんだけ偉い人が出ていたら逆に聞きづらくないですか?
そうなんです。他に誰かなんて聞きにくいでしょう?
あなたですよねって思います。普通だったら。
それは難しい。でも聞きづらいけど、最終的にどなた様に相談されますかとかもっと踏み込んで聞いておかなければいけなかった。決定するのは社長ですかとか。もっと踏み込んでいかなければいけなかったですね。1000名近くで組織がでかいとなかなか・・・
提案していた企業はどれぐらいの規模でした?
1000人です。そのぐらいになると組織の層が厚くて担当の方たちの話の中でも全部はなかなか聞けないです。もっと規模も小さくてもっと距離が近いといろいろ細かいところも聞けます。でかくなればなるほど上になると聞けないですよね、そんなことを。それにそこまで教えてくれないしね。
そうなんですよ。でもどうしたらいいんですかね?
やっぱり今更ではありますけれど、質問とかをあらかじめ考えておくというのが一つでしょうね。たとえばいくらだったら決めてくれますか?と聞きたいのにストレートには聞けないじゃないですか。
そうですよね。目の前の人がどこまで決済を持っているかというのもめっちゃ聞きづらくないですか?
そこのところの質問ですよね。例えば先ほどだったら、取締役、他にはどなかかとご相談されたりしますか?とか、間接的に誰か他に関係する人がいるのか、ストレートではない質問を準備しておくのが一つかな。
たとえば、ほとんど俺が決めるけれど営業の現場にも確認するかな、ときたら次になんと返すんですか?
さようでございますか、どんなところを確認されますか、とか。どのぐらいのことをというところですよね?
やっぱりそこは聞かないといけないところなんです。わかりましたとさらっと言ってしまいそうですけど、やっぱりそういうところも営業の方ってけっこう研修を決めるときに影響あるんですか?みたいな話とかもそこで遠回しに聞いたりとか。営業の意見ってけっこう反映されるんですか?とかも聞いておかなければいけないし。
聞きたいことはあるのに聞き方が私も下手でたぶんこうやって聞いたら相手はこう答えるだろうなぐらいな質問をしちゃったりするんです。
やっぱりストレートに聞けるのが一番いいですけど、ストレートに聞くとなんでそんなことをあなたに言わなければいけないんですかとなりますよね。なんでそれを今言わないといけないのというニュアンスが返ってくることがあるでしょう?
すごい共感しました、わかります。誰が決済か、誰が引き出してくるのか。
そうですね。念には念を入れて決済者と言うのは明確にしておくべきです。
わかりました。
しくじり先生からのありがたい教訓
どんな商談であっても決定権者を100%確認する