ささだです。
営業職が好き、営業をやりたいという人は少ないものです。また、お客様の目線で考えても、「もっと営業して欲しい」「もっと売り込んで」と人はほぼいません。
何故、営業はこんなにも嫌われた職業になってしまったのか。ちょっと考えてみたいと思います。
営業が嫌われる理由〜営業パーソンの目線〜
営業をする側の目線で考えた時に、どうして営業をやりたくないと思ってしまうのでしょうか。新人や若手で「営業をやりたい」という人も、経験として営業をやりたいという人がほとんどです。何故営業を極めたい、という、私のような物好きは少ないのでしょうか(というよりも、私みたいな人が物好きと言われるのが寂しい、、、)
私が思う営業が嫌われてしまう理由の1つは、営業としてのスキルやキャリアアップが不明確であることと評価が属人的なところが大きく影響していると考えています。
営業職として、どんなスキルを身に付けたいか明確に持っている人はほとんどいません。「ヒアリング力」「プレゼン力」など、○○力という言葉を使いますが、その各力の定義も曖昧です。何ができたら営業ができるようになったと言えるのかが、不明瞭なのです。そのため、上司や先輩、ひいては会社も営業マンを育てられないのです。「関係性」「相性」「仲良くなる」などの抽象的な言葉が飛び交い、「とりあえずたくさん会いに行く」「営業は気合い」「根性が足りない」などの指示になってしまうのです。結果、初めて営業をやる人は、全てが初めてなので営業を続けますが、数年も経つと成長している姿、なりたい自分がイメージできなくなり、転職してしまうのだと思います。
また、営業の評価が成果以上に、人に依存してしまっている部分があります。残業文化が未だに根深いのも、その理由の1つでしょう。頑張っているやつ、上司が好きなやつが出世・昇進してしまうところが、営業を極めるモチベーションを奪ってしまうのです。
営業が嫌われる理由〜お客様目線〜
営業がお客様に嫌われてしまうから、営業をやりたいと思えなくなってしまうのです。何故なら、営業になる人も、営業になる前、そして営業をやっている時でも、常に何かしらのお客様だからです。つまり、お客様の目線で営業が嫌われてしまうと、営業をやりたいと思えないことも必然でしょう。
営業が嫌われる最大の理由は、押し売り・売り込みでしょう。求めていない人にお金だけ払わせようとする営業がいるからです。これは、テレアポや飛び込みも同じです。営業がお客様の迷惑を顧みず、自分の都合で営業をしてくれば、断るだけでなく無下に扱ってしまうのも当たり前です。そして、無下に扱われることで、営業自身も嫌になってしまうのです。
営業が嫌われる理由〜社会的な目線〜
日本の営業職は、新卒で入る文系学生がとりあえず就く仕事になりがちです。また、営業の評価も先ほどお伝えした通り、成果よりも上司の評価になりがちです。そのため、なかなか営業職の給与も上がりづらいのです。
アメリカでは、営業はフルコミッション(成果報酬)で報酬が高いです。そのため、営業は売れる商材を常に探しています。何の営業をするかを考える時、日本の営業職は会社で選びがちですが、アメリカの営業は商材で選んでいます。フルコミッションなので、売れなければ報酬を得られないわけですから、当たり前です。
これは推測ですが、フルコミッションのため、営業は継続できる商材を探している、リピート顧客が得られる商材を探しているはずです。毎月毎月新規営業を頑張らなければいけない、という状況で、営業を成果報酬でやろうとする人は多くないでしょう。つまり、太いお客様を見つけ、そのお客様と長い取引、付き合いができる商材を探しているのが、アメリカの営業だと思います。
そう考えれば、営業は専門家に依頼し、会社や経営者はより良いサービス・プロダクト作りに専念し、良いものを作らなければいけません。逆に、良いものを作らないと売ってもらえないのです。
日本の営業が嫌われる根本的な理由
色々な目線で、営業が嫌われる理由を考えていきましたが、私の持論をまとめると3つに集約されると考えています。
- 売りたくないものを売る
- 営業として成長が見えない
- 営業として未来が見えない
営業は、「自分の扱っている商材やプロダクトを使って、お客様のことを幸せにする」ことが仕事です。しかし、目の前のノルマや上司や会社のプレッシャーから、数字を上げることのみが目標となっていく人は多いです。また、その数字の達成も、気合いや根性で”なんとか”達成させることの連続で、自分の成長が見えなくなる時期がきます。そして、最後は「毎月、毎年この繰り返し」と嫌気がさし、転職をしたり営業職自体を辞めてしまったりしているのが実態ではないかと思います。
「これからの営業は」という手前に、より一層プロダクトやサービスを育てていく意識や会社が増えていかなければいけないというのが、前提にあると考えています。「より良いサービスを作る」「よりお客様のためになるプロダクトにする」この想いがある商材が増えなければ、営業がどれだけ理想を持ったところで意味はありません。
営業はお客様に最も近い、現場にいる仕事です。是非、より良いサービス・プロダクトを作るという視点で、営業をやってみてください。その一歩が今後の営業を作っていきますよ。