今日のテーマ
検討しますを乗り越える営業トーク12ステップ
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
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検討しますを乗り越える営業トークの11ステップについて、お話ししようと思います。商談をしているとお客さんから提案をして、どうですか?とクロージングをかけたときに「検討させていただきますので改めてご連絡いたします」という形で、その場での結論を保留にされてしまうことは多々あります。では、この決断の保留をいかに乗り越えていきましょうかということが今日のテーマです。
保留や検討しますという回答が、当然営業側からすればよくないです。営業側としてよくないというのはお客さんの意思決定をされない可能性が高いからという話なのですが、なぜされないかと言うと人間はそもそも忘れやすい生き物で、20分後にはその話を42%忘れている、忘れちゃうわけです。いろいろ良い話を聞きましたというタイミングで、時間がたつことによってそれがどんどん忘れられてしまう可能性が非常に高く、一生懸命こちらが伝えたとしても、忘れられてしまうので、結局一生懸命話しまして検討しますというときに、しっかり検討するための情報が足らなくなってしまうということです。
それに対してしっかり検討してくれるお客さんは、いろいろ情報をネットで見たり他社の提案を見たり、ということをするわけです。ただ、これはコピーライティングで言われるのですが、人間の情報はあふれて混乱すると、基本的にはNO。やらないという選択に陥りがちです。いろいろ調べたり研究熱心、勉強熱心でいろいろ情報を集めている人は、最終的に行動に移さないケース多いです。営業が売る、売らないの前に、お客さんが、目の前の人が何かを絶対にしなければいけないという場合は、ずるずると結論を先延ばしにすることによって最終的には何もしない結論になりがちです。
それが本当にお客さんのためになっているかどうか真剣に考えていただくことはもちろん大事ですが、商談のその場でどうして結論が出せないかと言うと、それは営業が伝えるべき情報を伝えきれていないケースが多いです。もちろん決裁者が上にいるとか他にいるとか、誰かと相談しないと決めきれませんというケースもあるので、それに対して無理やり決めてくれと言うわけではもちろんないですが、自分で結論が出せる立場の人や結論が出せる状況になっている人が、その場で結論が出せないというのは、営業が伝えるべき情報を伝えきれていなかったり、お客さん自身がイメージを持ち切れていない可能性が非常に高いので、それは最終的にやらないという結論になりがちなので、そういったことを回避するためにも営業が検討しますという言葉をもらった後、できることもやり切りましょうねという話です。
検討します乗り越えトーク1 全力でお礼を伝える
何をやるべきかを11のステップにまとめてみました。1つ目は全力でお礼を伝えることです。検討しますという言葉を、お客さんも今は結論を出しませんよと言うメッセージだとわかっています。けれど本当に検討してくれるかどうかわからなかったりそのあと本気に考えてくれないケースが非常に多いので、まず営業が言うべきは、検討しますとか少し考える時間を下さいと言われた場合「ご検討いただいて本当にありがとうございます。」「ぜひよろしくお願いします。」と検討するというアクションに対して感謝の気持ちを伝えることです。そうすることによって、考えます、検討しますという言葉に対してコミットが生まれやすくなります。
検討します乗り越えトーク2 担当者の発注角度・意欲の確認
そのうえでまず目の前で話している人がどれぐらいやる気があるのかというところを確認するのがステップ2です。法人や複数人が意思決定をする場合、法人で言えば部署単位や社長に相談するとか、BtoCでも家族と相談します、となった場合、まず組織や集合体ではなく、正直なところ〇〇さんはどう感じていますか?みたいなことを確認しましょう。
他の人の意見ではなく、まず自分がどう思っているかです。個人の買い物の場合でも「ぶっちゃけここまで話を聞いていただいてどうですか?」ということを確認してもらったほうがいいです。周りに相談する、他の人に確認する、というときは自分の持っている情報に寄りがちです。自分が今やりたいと思っている気持ちがある場合はやるべきという情報が集まりやすくなる、一方でやりたくないなという気持ちを持っている場合はやらなくてよい情報を集めがちです。これはカラバス効果といって、赤いものを見てくださいと言われると、人間は赤いものばかりに目が入りやすくなるということは心理学でも証明されていることですが、自分の現時点での結論や考えていることに寄った情報、都合が良い情報を集める習性があるので、そういう風になりがちなので、現時点での結論は確認すべきです。
前向きに考えていて関係性ができているお客さんには違う聞き方で「正直、今何割ぐらい前向きで考えていただいていますか?」「ぶっちゃけわたしは個人的には手ごたえをすごく感じた良い商談ができたなと勝手に思っているのですが、どれぐらい何パーセントぐらいやりたいと思ってもらっていますか?」と聞いたら、より相手側の本心が出てきやすくなるかなと思います。
検討します乗り越えトーク3 コミットメントを取る
そのうえでやりたい、やりたくないをパーセンテージで見てきた中で、もう1回ここでコミットメント、確認を取ってほしいのが、商談のクロージングのタイミングはその手前で関係構築ができて、商材の説明ができて、ニーズも確認できてヒアリングもできて、全部できたうえで最後に検討しますときているわけなので、もう1回ここで確認します。
「先ほどおっしゃっていただいた~を実現したいというのは、お気持ちの変わりはないですよね?」「念のための確認なのですが、今回実現したいこととはこれをやりたいことで間違いはないですよね?」と商談のタイミングやその手前のヒアリングのタイミングでお客さん自身が私はこれをやりたいと言っていたことを確認しましょうということがステップ3のコミットメントを取ることです。
ここがぶれちゃっている可能性は結構あります。いろいろ話を聞いたら、正直私はそこまでやりたくないかも、と思っていたり、実は本当にやりたいことはこれではなかった、みたいなことは話を聞いたうえで起こりうるわけです。そこが確認できたうえなら、また違う提案で、クロージングはいったん終了してヒアリングに戻っていくという感じで動かなければいけないので、もう1回コミットメント、認識のずれ、本当にお客さん自身がやりたいことにずれがないかを確認しましょう。お客さん自身は商材を買いたいのではなく、自分のやりたいことや困っていること、解決したいこと、実現したいことがあるので、そこがぶれてしまうと提案がズレてしまうので、コミットメントを再度確認していただくことが3つ目です。
検討します乗り越えトーク4 今決められない理由の確認
4つ目は現時点で今決められない理由をここで確認します。「わかりました。今の時点で決められないことは何ですか?」「今逆に決められない理由は何かありますか?」「ご決断できない理由は何なのでしょう?」みたいな感じで決められない理由をここで確認します。
ただポイントとしてはいきなりそこで切り返さないことです。ご検討いただくにあたって「今一番気になっていることとは何ですか?」と言ったときに、「いやちょっと予算がね・・・、と言われた瞬間に「予算なんですね。この予算なんですけど・・・」みたいな形で、イエス・バット話法やイエス・アンド話法みたいなトーク術はありますが、このタイミングでいきなり切り返しをすると、お客さんから見ると売り込みに来たなという気持ちが強くなってしまうので、切り返しを一切せずに、お客さんが今言ってくれた内容が本当にボトルネックになっているのか、を確認してほしいです。
検討します乗り越えトーク5 ボトルネックの確認
ボトルネックと言えば自分が最終的に意思決定するにあたって、一番足を引っ張っている部分、一番気にしている部分です。これを仮の質問で言うとどうなるかと言うと、予算でちょっと引っかかっていれば「仮に予算を自由に使ってOKだったとしたら、これを即決いただけますか?ご利用いただけますか?」みたいな形で、できるかできないかは別として、もし予算が今の倍使っていいよと言うことになったら、お申し込みいただけそうですか?とか仮に、もし~だったらどうですか?と質問することによって、それでもしOKだとなったとしても、他に悩みどころ、引っかかるポイントが多いので、確認する。逆にそうなってしまうと逆にヒアリングはもう1度必要になってくるので、クロージングはいったん止めたほうがいいです。
検討します乗り越えトーク6 ほかに気になっていることの確認
仮にそうだったらね、と言ってもらえて予算が自由に使えるならやってみようかなと思っているのけれど、といわれたら「ありがとうございます。ネックは予算ですね。ちなみにほかに気になっていることはありませんか?」と聞くのが6個目のステップになります。
いろいろあるわけです。一番の問題点がありつつも、人間決断ができないことは、複数のことで悩んでいる可能性があるので、そこは先に言語化して置く、口に出させておくことはすごく大事なことです。4,5,6では相手の懸念点みたいなところを確認するのですが、このタイミングには基本的に反論はしなくてOKです。反論したり切り返ししたりは一切せずにお客さんが今困っていること、引っかかっているポイントを全部出させることを意識していただければと思います。このタイミングで切り返しをしてしまうと、お客さん自身が本音を話しづらくなってしまうので、このタイミングでは切り返しをしません。
検討します乗り越えトーク7 検討基準と悩みポイントの整理
7つ目のステップとして検討基準と悩みポイントを整理して確認する、という点が出てきます。予算の部分があったら、他の問題が解決出来たらご利用いただけるということで間違いはないですか?とか運用体制や~の部分が気になっているということですよね?と言う方たちでお客さんが今言ってくれた問題点、懸念点、課題をもう一度営業の言葉で再確認しておくということです。
なんでここで再確認するかと言うと、他でこういった気になっている点があるかを確認することと、問題点を一度整理しておくことで、そこに対してイエスをもらうことによって、自分は今ここで困っているんだ、懸念しているんだ、心配しているんだということをお客さん自身に再度認識してもらう必要があるからです。
検討します乗り越えトーク8 情報提供しながら一緒に考える
この問題点を改めて解決するための方法として何があるかですが、聞かれたことで検討すべき情報やは全部伝えきりましょう。予算の問題とはお金の問題です。お金の問題みたいなところはちゃんと確認しておく。ただお客さんが一番やりたいことに関して、このお金が必要なんだということを理解してもらうためには、自分の商材の良さだけを頑張ってアピールしたとしても足りません。なので商材の魅力をその場で伝える、うちは10万円以上ですが、お客さんだったら15万です。でも最安値で50000円でできるところもあります。けれど御社が言っていただいたことを実現するなら、正直5万円は厳しいです、とそこで初めて話が出てきます。
ここで言いたいことは、自分がいいんですよ、うちの商材がベストなんですよとアピールするのではなく、情報をすべて出すことで一緒に考えていくスタンスで、こうじゃないか、ああじゃないか、と話を相談に乗っていきます。情報を出すことによってご検討くださいではありません。こういった情報ではなく一緒に考えていくステップを持ちましょうというのが8番目です。
検討します乗り越えトーク9 課題や問題に対して今すぐ対策を打つべき理由の整理
次は課題や問題に対して今すぐやなければならない理由を整理できて、確かにお宅が一番いいかなと理解できました、というタイミングでありがとうございましたなのですが、その次にやるべきは今すぐやりましょうです。けっこう営業は言っていません、検討します、と言われたら今やりましょうと言っていないケースが多いですが、お話を伺えば聞くほど今やっておいたほうがいいですよね、とか、うちの商材かどうかは別として、それだったら早く動くべきですよ、とか、を改めてお客さんが今行ってくれたやりたいことから逆算してスケジュールを確認しましょう。ヒアリングのタイミングでも、いつまでに何を実現したいのか、確認しておかないと正しいクロージングはできません。
検討します乗り越えトーク10 自社商材を選ぶべき理由
10番目にここで初めてうちの商材を今買うべき理由を再度伝えるべきです。キャンペーン中なので、または今限定の企画なので、わたしがどうしても御社にお手伝いがしたいので、みたいなことをしっかり伝えてあげます。
検討します乗り越えトーク11 現在バイアスの利用
ここで商材でできないケースもあるのですが、現在バイアスというのがあります。ここで活用しましょうというのが11番目なのですが、人間は将来見通しが不透明なものよりも、前に見えるものに食いついてしまう心理があります。ダイエットをしたほうがいいということがわかっていても、目の前のおいしいケーキがあったら、おいしいケーキを食べるという欲求が勝ってしまうということです。今すぐ何か得られるもの、手に入れられるものを準備できるのなら、そのタイミングで、購入いただければプレゼントしておりますので、とか、今ご購入いただければこちらで無料でやらせていただきますので、みたいなことを伝えていくと、最終的に今やるということのアクションが踏みやすくなります。
検討します乗り越えトーク12 私にやらせてくださいと言い切る
最後の12番目は私にやらせてくださいと、絶対に御社のお役に立ちますんで、とここを言い切ってねと言うのが12番目のステップです。
全部で12ステップの項目があるということで、解説させていただきましたが、これを全部やり切る時間は15分以内にまとめたほうがいいです。なんで15分なのか、人間の集中力は15分しか持たない、人間は忘れやすいという話をさせてもらいましたが、人間の記憶は20分で42%忘れてしまいます。クロージングを初めて15分から20分たつと、忘れられちゃう可能性が高くなる、最初に話した内容を忘れられている可能性が高いので、ずるずる引っ張ったところでもう1個同じ話をするというコミュニケーションがぐるぐる問答巡りになりやすいです。そうなると、商材自体、営業事態に対して、面倒くさい、早く帰らないかなという気持ちが出やすくなるので、クロージングは15分以内に切り上げる。15分以上この会話が続いている場合は、現時点で結論が出ないと見切って、もう一回次回の商談にアポイントをいただいたほうが成約率は上がると思いますので、ちょっとその点も意識していただけるとと思っております。
12ステップお話しさせていただいたのですが、最初は全力でお礼を伝えましょう。その次に発注角度、目の前の担当者自身が自分でどれぐらいやりたいかを確認する。3つ目がお客さんが最初に言っていたやりたいことに対するコミットメントの再確認、4つ目は現時点で今決められない理由の確認、今行ってくれたことが本当にボトルネックかを確認するために仮定の質問、もしこれが自由だったらというところを確認して、それが確認できたら他に気になっていることを確認する。それを整理するためのステップが7番目。検討基準と悩みポイントを整理して確認して、次が聞かれたことや検討で必要な情報を開示しながら一緒に確認する。情報を与えてよろしくお願いしますではなく、その場で一緒に考える。次にやるべきポイントは、課題や問題点に対して今すぐやるべき理由、これは商材ではなく課題や問題点に対して今やりましょうと伝えてあげて、その次に、そうだね、今やったほうがいいよねと出てきたタイミングで、それだったらわたしにやらせてください。うちの商材がベストです、次は現在バイアスで今得られるもの、今すぐできるもの、提案できるものがあればすぐ伝えてあげて、最後に私にやらせてください、よろしくお願いしますと強い言葉で言い切りましょう。
やることは多いですが、これを15分以内で完結できない場合はその手前で商材の説明や情報提供やヒアリング、関係構築の何かが足らない可能性があるので、それがそろっていないタイミングでクロージングしてはいけません。クロージングは本当に一番最後なので、クロージングが15分以内にまとめられないなら、そのタイミングで手前のコミュニケーションに問題がありますので、その点も意識いただきながら、もし違う場合が出てきたら、再度ヒアリングをしたりクロージングしなおすみたいな、いったんクロージングを止めて営業の前工程に持って行ってもらったほうが成約率が高いですし、15分以内に決められない場合はその商談のタイミングでは結論が出ないと思いますので、次に商談にアポを取っていただくことを考えていただければと受注率は上がると思いますので、ぜひ意識いただきたいと思います。