今日のテーマ
価格破壊に立ち向かう営業戦略
※こちらのページは上記Youtubeの内容を書き起こしています。
今日の講義はこちら
価格競争の時の営業戦略をテーマにお話ししていこうと思います。ご質問をいただいてそこに対しての答えなのですが、いただいた質問が、
私は、国内損害保険の代理店を任されているのですが この不況下、営業成績がどんどん下がり、売り上げも激減しています。 周りは安い保険を求め、解約の連鎖が止まりません。 このままでは閉鎖も有りうる状況なんですが 十数年アポ電、企業訪問と色々と経験しましたが やはり保険料の安さからどんどん、ネット保険に取られてしまっています。 何か負けない方法を模索しておりますが、まったく歯が立ちません。
ビジネスではそもそも戦わなくてよいなら戦わないほうがいい
インターネットの普及や不況とかがあって安さみたいなところがあって、インターネットを通して起業や参入のハードルが下がっていろいろな業界で価格破壊が起こりました。ネットライフ生命など、ネット保険が入ってきて従来の保険会社がだいぶ厳しくなってきたという話をよく聞くので、すごく難しい問題です。こういった価格破壊が起こったときに、老舗の従来からサービスを提供していた会社がどう戦うべきか、ということが今日のテーマですが、ここで考えるべき戦略は、いかに勝とうとするかではなくいかに負けないべきかを考えるべきということです。
ご質問をいただいたとおり、何か負けない方法を探したいですということなのですが、勝つということと負けないということは全然考え方が違っていて、戦わないほうがいいわけです。戦略というのは戦わずして勝つではないですが、戦わずにそのまま勝てるなら当然そのほうがいいですよね、という発想でビジネスは考えていったほうがいいので、ここで価格競争、価格破壊が起こっているフィールドで戦うとなると、当然価格になってしまいます。
今回保険料の安さからどんどんネット保険に取られていますという話をいただきましたが、意思決定の基準が価格になっているお客さんにどんなに頑張って営業をしてもこの結果は変えられないと思います。営業が手厚くフォローしましたとか、初回の支払いを少し安くしますとか、そういったことをしても、保険というのは継続的にお金がかかるモデルなので、一時的に安いからどうこうというのは関係なかったりするわけです。なので、ましてやネット保険で価格が0が一個違うみたいなことが普通に起こるので、そうなってしまうと当然顧客離れが起こるのは必然と言えば必然です。
安さだけでなく品質やサポートの充実を求める顧客を大事にする
けれど価格だけで決める人がいるかというと、決してそうではありません。意思決定の判断が価格で決めますという人がいるのは当然です。なので価格破壊、価格競争が起こった時には安いほうにお客さんが流れていくというのは一定数出てくるのですが、全部ではありません。
ではどういうお客さんが残るかというと、高くてもよいからいいものが欲しいというお客さんが一定数います。安いからそこに決めたと判断をする人たちがいないフィールド、マーケットで営業をかけて行くべきだということと、当然安さを求めて解約が出てしまったときには、どこで補充していくかです。売り上げが落ちてしまった分をどうやって補っていくかですが、既存のお客さんからの顧客単価を上げていくという発想で動いたほうが、基本的に価格商法ができないサービス、業種、企業に関しては動いたほうがいいです。
これからどんどん価格は安くなると思います。いろいろな商材やサービスが入ってきているので安さでマーケットを取ってしまうという会社も非常に増えています。これは仕方ないです。でも安いからそこに決めているという判断をする人ではなく、安さよりも安心や補償を求めている人や安さよりも営業の熱心さや対応の丁寧さ、長い付き合いだからというお客さんをより大事にしていく動きを取っていくべきかなということです。
顧客フォローの徹底を通して紹介受注を増やす施策も並行させる
顧客のフォローやサポートを徹底してやっていく場合、当然そのお客さんに長く太く使ってもらいましょうということから合わせて、そういうお客さんから紹介も是非アプローチしていただきたいと思っております。
当然一生懸命サポートしている、フォローしているということで、営業に対して恩を感じているお客さんであれば、本当に条件に合っていたりいいなと思うお客さんがいればご紹介くださる可能性は出てくると思うので、広く浅く当たっていくのが価格破壊、価格競争に突っ込んでいく、とにかく安くマーケットシェアを取っていこうという会社になりますが、従来型の価格勝負ではなくてサポート体制、フォローの充実というところで動いている保険会社やそういったサービスを行っている会社さんは一人一人のお客さんの顧客単価を上げていくことと、そういったお客さんからの紹介をもらうという方法で動いてもらうといいと思います。
ネットで集客するとかテレアポや企業訪問、初期の段階でアプローチするときはどうしても安さのほうがインパクトに残りやすいです。そんなに安いなら話を聞こうかなとなりやすいですが、サポートを充実しています、フォローを徹底していますといわれるとみんなそれを言うからと本当のことを言っていても入りづらいです。そのときはそういった問題を顧客紹介、お客さんからの紹介で解決していく動きがベストだと思いますので、ぜひ戦わない、価格勝負になってしまったなら価格で戦わない戦い方をぜひ考えていただきたいと思っております。