今日は営業4.0実践ゼミの質問に、笹田がお答えしていきたいと思います。
今日いただいた営業の質問はこちら
営業活動、セミナー集客をする上で、インフルエンサーを作ることが出来れば良いのでは?と社内で上がっています。
(定義は、いったんはTwitterフォロワー数1000人とする)
ただ3点壁にぶつかっています。
①そもそも社内でこれが出来る人がいない
②人事向けになるので、ターゲットが狭い
③本腰は入れず、あくまで最優先は営業業務
特に①が大きな壁です。
笹田の回答はこちら!
インフルエンサーマーケティングを社内で導入したいと思っているのですがどうすべきでしょうか、というご質問です。これはけっこういろいろな会社がやっています。営業効率化したいとか、セミナーに集客するためにSNSを使いたいとか、アイデアとしては出るのですが実際にちゃんと運営できている会社はほとんどいないというテーマです。
片手間でSNSのフォロワーを増やすというのは厳しい
結論は、たぶんこれはうまくいかないパターンです。理由としては本腰を入れないであくまでも最優先が営業業務で、片手間でうまくいったらいいなあという形でツイッターやFacebookを使いたいという話だと思うんです。できたら理想なんですが、このタイミングでSNSで片手間でフォロワーを増やそうというのは正直厳しいです。これを本業にしているインフルエンサーがすでにいるということ、すでにフォロワーをたくさん囲っているインフルエンサーがいる現状で、後発かつ本業でなく片手間で、なんとなくやってうまくいったらという形の運用をしてうまくいくほど甘くない、というのが非常に心苦しい回答ではありますが、現実だということです。
そううまくはいかないです。特に上司やマネージャーでSNSに詳しくない人ほど、ツイートしておけばいいんでしょうとか、定期的に投稿しておけばなんとかなるでしょうという形で捉えがちですが、SNSはデータマーケティングで、基本的にコミュニケーションをデータで可視化しているツールです。自分がツイートした内容がどれだけインプレッションがあって、どれだけリアクションがあって、みたいなことが全部測れるわけです。このツイートをしたら「いいね!」が何人ついたとか、プロフィールのインプレッションがどれだけ出たとか、そういうことが見えるツールなので、本腰を入れないというのはデータとしっかり向き合わないということになります。
本気でやっている人たちは常にデータを見まくっていてうまい運用方法を常に考えている人達なので、そこと片手間で対抗することは正直言って難しいということです。正直、壁が一番大きいのは「本腰は入れず、あくまで最優先は営業業務」です。
育成にはある程度時間がかかる
社内でできる人がいないということに対してですが、これから育成しようということで考えるのであれば、ある程度時間をかけてもOKならば可能性があると思うのです。しかしあくまでも最優先が営業となってしまうと、時間的に待ってくれないケースが多いです。
アカウントを育てるために必要なものはとりあえず2つしかありません。マーケティングは全部そうですが、基本的にはお金をかけるか時間を掛けるしかありません。私のツイッターのフォロワーが52●人なのですが、アカウント自体はあっても適当にずっと運用していた時があったので、ちゃんと運用したのが去年の10,11,12月、3ヶ月でフォロワー数が300人ぐらい増えました。それでも3ヶ月かかっているんです。企業の活動でいくと1四半期、1クオーター分です。
1クオーター分をフォロワー500人増やすことに費やして、500人のフォロワーを増やしたところからセミナーに参加させて、みたいなところを考えると、正直アカウントとして使えるかと言うとまだまだ全然使えません。ある程度反応が出てくるのは1000フォロワーだと足りません。多分3000フォロワーぐらいあって初めて、ツイッターからのセミナー申込みが増えてくる。1000人をどれだけ濃くできるかにもよりますが、そこから考えると、社内で「それを継続して続けなさい。」という答えが一半期で出なければ多分やらないという結果になりがちです。
これはいろいろな企業のFacebookページを見るとわかりますが、2016年、2017年に運用が止まっているケースがけっこう構多いです。背景としては、成果がすぐに出ないからやらない、なんで成果がすぐに出ないかを判断したのかと言うと、営業会社ほどテレアポ、飛び込みで目の前の営業を作る話を知ってしまっているからです。長期的な戦略を組み立てないでSNSをやろうかなという感じでいくと、どうしても短期的に成果を出せる手法を知ってしまっているがために、「ツイートを考えている間に飛び込みに行ってこい」「テレアポ(電話)をかけろ」みたいな結論になりがちです。本気でやるのであれば担当者を一人付けて、そこで運用を任すみたいなことをやっていかないと、正直成果としては出ないと思っております。
長い目線で運用することを考える
人事向けであってターゲットが少ないというのは正直ありますが、ツイッターがベスト、Facebookがベスト、インスタがベストみたいな形で、考えればよい。ツイッターでも人事がアカウントを持っていて見ている人たちはたくさんいるので、やりようによってはあると思います。私の知り合いは副業の研究家という謎のポジションを作って人事とのコネクションを作りました。そういう運用をしている人もいるので、やり方としては全然ありかなと思います。ただこういう運用を考えたときには短期的な成果にはならないので、長い目線で、一年、三年、五年ぐらいの期間を見た上で運用ができるのであればやるべきですし、そうじゃないのであればツイッターからの集客を行っていくみたいなことは避けたほうがよいかなと思います。
オフラインからオンラインに落とし込む方法を使えばフォロワーは増やせる
ただ使い方としては別のやり方もあります。オンラインでSNSのプラットフォーム上から集客するということは一旦諦めて、例えば飛び込み、テレアポ含めて実際に打ち合わせをした相手とSNSでアカウントのフォローをし合うみたいな状況を作っていくと、多分フォロワー数は増えていくと思います。SNS上のマーケティングでフォロワーを増やすためには時間とお金がかかる。けれどリアルでつながっている人をたくさん増やしていく、そこからフォロワーを増やしていくみたいな運用がもし戦略としてできるのであれば、リアルとオンラインではリアルで会っている方が関係性としては強いです。
そこを起点にして関係ある人を増やしていって、という動きを取っていけば、リツイートしてもらえる可能性も高かったり、フォローしてくれる可能性が高かったり、拡散してくれる確率が上がってくるケースもあるので、オフラインからSNSへの落とし込みみたいな戦略を考えてもらえると、インフルエンサーマーケティングが実現できる可能性も出てくると思います。最初からSNS上、ツイッター上、プラットフォーム上でなんとかしようではなくて、オフライン戦略ありきでオンラインに落とし込む発想でインフルエンサーマーケティングを営業会社は考えていただきたいというところで、今日の結論になると思いますので、是非参考にしていただければと思います。