アポを取ることができてお客さんに提案をしても、受注には至らずに終わってしまうこともあります。
いいアポが取れてもほかの業社とバッティングして負けてしまうことも。
受注に至るにはアポでインパクトを残すことが必要です。
でもどうやってインパクトを残せばいいの?と悩むことが多いインパクトを残せる提案の仕方について考えました。
登場人物
営業コンサルタント ささだ
Sさん
インパクトを与えるためにはお客さんが何を基準に選んでいるかを知らなければいけない
インパクトを残せる提案はどういうやり方がありますか?自己アポを取っていないのでアポ質がうまくいかないです。人材が充足しているのでどうしようもない、または今じゃないとなってしまっていて、今まで8件に1件取れていたのが18件に1件、えげつないほど質が悪いです。せっかくいいアポがとれても5社ぐらいいろいろな業社がバッティングしています。
バッティングに勝ちたいというのもありますが、いま改善案として時間が空いているときに自分でテレアポをしています。そして交流会にも参加しています。商材がとてもわかりやすいので交流会はありかなと思っていて、紹介をする代わりに紹介をもらうことを構想上に入れています。まだ交流会には入っていませんが、2,3ヶ月後には入ろうかなと思っています。
あとはアポインターからのアポです。訪問時に自分のレコーダーで撮ったりしてどういうトークをしているかを客観的に見て少しずつ直していますが、提案にインパクトがないんです。商品が同じなので、担当から見ればおそらく同じような提案を聞いているんだろうなという反応をしています。安いところをアピールしてもいいだろうけれど、それプラスなにか提案としてこういうものがあればというものがないか?お聞きできればと思っています。
提案の価値付けをするのは営業じゃなくてお客さんになるのでお客さんがどう思っているのかわからないというのが一番ネックだと思います。受注、失注問わず、実際にぼくの提案はどうでしたかということを確認したほうがいいです。
インパクトの有無はあまり関係ないケースもあって、普通なことを言ったけどこの人にお願いするということは全然ある。今の時期の採用しようとしているお客さんが何を基準にして選んでいるか、人によって変わるところがあると思いますが、その感度を良くするためには答えを持っているお客さんに確認するしかないです。お客さんが受注しようが失注しようが、今回他社さんに決められた理由はなんですかとか?やめた理由はなんですか?選んでくれたときも選んでくれた理由はなんですか?とか、受注理由を確認する癖付けはしていったほうが良いと思います。
これは提案の手前の事前、常に受注後、失注後にやったほうが良いアクションの一つです。そこをやっておくと、この人にはこういうことをやっておけば刺さるとわかってくるので、お客さんにとってインパクトがある提案が出しやすくなる。
もう1つ、インパクトのある提案にするにはどうしましょうかという話ですが、Sさんの提案の今の話だけを聞くと、たぶんお客さんとのコミットがない。安いというのは何の価値提案もしていないです。お客さんにとっての価値は何かと言ったら、やってほしいことを実現してくれることじゃないですか?採用担当者で行くと3人採用したいですというニーズがあったとき、安いですよね、ぜひ使ってくださいというのは提案になっているようで全然提案になっていない。
インパクトがある提案とは、お客さんが言われて一番うれしいことを言うことだと思うんです。そのときにお客さんが一番うれしいというのは、採用の話に特化したときに、掲載料が10万円と安いのでいかがでしょう?というのは、安いことを基準にしているお客さんなら確かに安いなんでしょうが、採用担当にとって安いのは採用単価が安いということ、10万円で掲載できますけど一人も応募が来ません。どうしましょう?というなら載せません。でも10万円で3人受注できる可能性があります。それを実現するためにぼくがいるんですと言えば、こいつなら頼んでもいいかなと言う気持ちになるでしょう。
Sさんが認識しているとおり、人材の求人サイトなどは特にやることはみんな一緒なので、誰に声をかけてお願いしようとなったときに、私が大事にしているのはまず言い切ること。できます、やりますをちゃんと普通の言葉で言う。ただその後でできない可能性ももちろんあるので、こういう可能性もあるのでそれを払拭するために私はこういうことをやりますとする。
今実際にそういう営業トークをやっています。ロープレすると、お客さん役の私に言う言葉は大丈夫だと思います、できると思いますということだけなので、やってくれるかどうかがわからない。なので、とりあえずできると言ってこいという話をしているんです。
今回ヒアリングした結果、採用単価が5万で2人採用したいという話を聞けたとします。そのときには、うちだったらそれできますよという言葉を言ってこいという話をしていて、これだけの機能があるので任せてください、というのが1セット。お客さんにとって一番インパクトのある提案はそこなはず。いろいろやりたいことをやってくれている、もしくは以上のことをやろうとしてくれている。やるって言ったでOK。そうするとちゃんと話を聞こうかなという気持ちになれる。
最終の意思決定が進まないのは、まだ本当にできるのか、やってくれるかが読めないというリスクを感じているから。もちろん応募が全然来ないとか、採用できないということはもちろんありえます。受注後の掲載フォローはしていますか?バイトに流しちゃいます?
基本的に営業がする感じです。
なら受注後もフォローに入れるので例えばWEB系の広告なら紙面を替えたりとか、求人原稿を見直すことはできる。例えば掲載が2週間だったら、掲載期間を2週間いただくので1週間で応募が少なかったら、面接が3件組めてなかったら、原稿も見直しを掛けてターゲットも見直して成功させるので全然安心です、という話し方をさせます。
インパクトがあるのは期待していること、期待している以上のことをやりますと伝えること、プラスアルファ最終的に納得感を持ってお願いしようとするためにはロジックが必要になる。リスクに対する対処法を伝えるというロジックです。できない可能性があるということもちゃんと言っておく。そうしないと嘘になっちゃう。けれどこれを解決する方法として私はこれだけの施策を洗い出しているので、それを全部やれば逆にそれで採用できないなんてイメージを持てますか?と言って、私にお願いすれば大丈夫なので私にやらせてください、以上。にしたほうがインパクトがあるというより相手がお願いするモチベーションを感情的にもロジック的にも作っている提案になると思います。
理想は機能的に業界初とか業界最安とか新サービスとかで、機能として提案すれば利用してみようかなというタイミングを作りやすいですけど、人材の営業がこれだけ習熟している市場の中だと難しいので、営業が強い言葉で話すことは現状で一番強い提案になると思います。
ヒアリングで気をつけるのは、選択肢をすべて聞き出すようにすること
お客さんがどういう基準を決めているか聞くと、お客さんによっては金額が安かったからだよとか辞令があったからというところがあると思いますが、人に合わせて提案するというのはそこをまず聞く。それに合わせた提案をしたほうがお客さんにとって期待以上のことをやってくれるみたいなことになるので、そこがまず重要なヒアリングの部分ということですよね?
むしろそこを一番聞かなければだめです。聞き方としては、これまではどういう基準で媒体を選ばれていますか?という聞き方ができたりとか今回は何をベースにして決めますとか?というところ。聞き方としては何が一番重要な基準なのかわからなかったりします。
例えば、なんで今の奥さんと結婚したんですかという話をしたとする。そうすると若いからだよと答えるかもしれない。たしかに年の差が1回りも違うとしたら、たしかに年の差があるから結婚したのかも、と思う。けれど本当にそれだけが理由かはわからない。若いことは事実らしいからそれが確からしい。それならそれを理由に提案に活かそうと考えちゃうと、本当にそれが一番重要だったかはわからない。
複数理由があると思うので、いったん全部吐き出させたほうがいい。そのうえで、今回の媒体選定の上で一番大事なところはなんですか?安かったからだよ、営業が頑張ってくれたからだよ、辞令が見えてきたからだよといろいろな理由が出てきたときに、今回店長さんや社長さんと話をしたときに一番大切にしていることはなんですか?と聞いて、やっぱり営業との関係性かなと言われたらじゃあこれから飲みに行きましょうと言えばいい。
選択肢を全部洗い出した上でそれを確認するというところが提案時のヒアリングとしていちばん大事なところ。そういう理由を自分でもたくさん持っておくことが大事で、選んだ理由を教えてくださいと言ってもそんなに真剣に考えている人はいないので、なんとなくと言われちゃうケースが多いと思うから、クローズドクエスチョンで○×で聞くと答えやすい。これまで●●さんをお使いだったと聞いているんですが、選ばれた理由はテレビCMとかをたくさん入れているんですか、と仮に聞くとする。いいや、テレビCMでは決めていないな、とか○×なら答えやすい。それを2、3聞いていくと、他にありませんか?と言ったら、こういう事も考えていたよと出てきやすい。他の会社さんを選んでいた理由をどんどん聞いてあげて、それは他社さんでもこういう話を聞いたんですが、御社も同じですか?みたいな聞き方をしていくとヒアリングの質やレベルはドンドン上がっていく。
提案するために聞くのと、今近々に提案するためにヒアリングをする、それは全部の選択肢をある程度吐き出させて、一番大事にしているのはなんですか、トップ3を教えてくださいみたいな感じで聞くのが今目の前のお客さんに対して必要なこと。受注、失注後のヒアリングで必要なのは自分でそういう選択肢を増やしていくことなので、後から契約を取れたかとれないかは別としてもそのお客さんと今回の商談が終わったタイミングで確認していく両方のアクションが必要ですというのが回答です。
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