他の会社のサービスを使っていたお客さんから、サービスを変えたいからと自分の会社に連絡が来た、これは営業としてはやりやすいです。
けれど実際に営業に行くときにお客さんには何をヒアリングするべきか悩みます。
突然いろいろ聞いても答えてくれないかもしれないけれど、何を聞くべきか?
ヒアリングするときに聞いておくべきことについて考えました。
登場人物
営業4.0実践ゼミ部長 ささだ
Iさん
まずは自分の会社に問い合わせしていただいた理由を聞こう
営業の同行をさせてもらってヒアリングはぼくがさせてもらいますが、今、別のサービスを使っているところなんです。今月いっぱいにやめようと思っていてうちの会社のサービスを代わりに使おうと問い合わせいただいたのですが、ヒアリングで何を聞くのか?やめる理由と、どうしてうちに問い合わせしたかと、今のサービスを使っている現状や不満を聞こうと思っていますが、それ以外になにかあるかなと思って・・・
まずいきなり質問をしても答えてくれないと思うから、お客さんとの関係を築きましょうというのが大前提としてあります。でも一番は問い合わせしていただいた理由をちゃんと聞くべき。お客さん側からアクションを起こしてくれて会いたいと言ってくれているわけだから、営業としてはすごくやりやすい。あなたが来いといったから来たと言う話ができる。だからけっこう上から話ができると思うけれど、わざわざ営業を呼んでまでサービスを変えようというのは結構大きな決断だと思う。だからちゃんとその理由は聞きましょう。
何に困っていたのか、そもそもどうしてそのサービスをやめようと思ったのか、まずは使っていた理由と、そのサービスに何かしらの不満を持って他の商材の話を聞きたいとなっているから、今まで使ってきたサービスの中で、もう少しこうなったら良かったなと思ったことがあったんですか?とか、ここがちょっと使いづらかったとかがあれば教えてください、みたいな話をする。
基本的に会話って共通するネタがないと話しづらい。スポーツの話しようと二人で話をしたとする。けれど何の競技の話をするか決めていないと、あのスポーツいいよね、何のスポーツの話ですか?みたいな話になる。あのスポーツだよ、あのボールけるやつね、とIくんが言ったとしても、そうそう、打つやつ、打つやつ、とこちらは野球を思っているとか。でもなにげに会話が成り立っちゃう。だから共通の認識で野球だったら野球の話をするみたいな感じで何の話をするかの軸が決まっていないと、基本的に会話は成り立ちづらい。
でも今回の例で行けばIくんが他社さんが使っているサービスを替えたい、ならば、その会社が使っていたサービスをベースに話ができる。まだその商材はどこを使っていたか聞いていないよね?
電話口で聞きました。
聞いた?すばらしい。じゃあその商材を前提で話ができるよね。その商材についてIくんは調べた?
一応少しだけ調べまして。
基準になるものがあるからそれを前提に話ができる。このサービスはこんな特徴がありますが、使っている中で使いづらいことがあったんですか?とか。この商材はうちの商材と比べると単価感が高いですが、費用的な負担が大きかったとかそんなものもあるんですか?とか。さっき最近調子はどう?と言ったら、まあまあみたいに答えたけど、たいがい当たり障りのない回答になっちゃう。別に返事が当たり障りがないと言ったつもりじゃないけど、商売をやっていて、最近景気はどうなの?ぼちぼちですってみんな言う。最近結果出ている?頑張ってますみたいな。営業としては回答をもらっているようでもらっていない。
自分とIくんの間だったらそれでいいけど、営業をするとなったら、まあまあ、ぼちぼち、頑張ってます、普通ですでは何の提案もできない。だから金額が高いと思いますか、安いと思いますか?と言ったときに、まあちょうどよいかなとなったとする。ちょうどよいとなったときにサービスが10万だとわかっていたらその10万がちょうどよい、高い、低いとか10万という基準があるから、話を聞いた意味が出てくる。だから他社の商材にリサーチをかけておいて、それをベースにして話をする。
ヒアリングをするときは基本的に共通の敵を作っておくか共通の基準を作っておかないと進まないということは頭に入れておいてもらいたい。それは営業全般の話。新規の営業に行くときも、これをベースにして話をするものというのをちゃんと決めておいてほしい。今回で行けばお客さん側から話をしてきたわけだから、あの商材ですよね、と共通の敵にするためにうまくしたてる。一番気をつけなければいけないのはIくんのところだけに相談しているのかということ。もしかしたら競合他社で他のところに声をかけているかもしれない。一応、Iくんのところにお願いしようと思っていると言っているんだっけ?
お願いしようと思っているまではいってないです。考えているという感じです。
そうなると他の商材にも声をかけている可能性もあるので確認しておいたほうがいい。後は導入の時期、明日なのか、来週なのか、来月か、来年かで対応が変わってくるから、いつまでに導入したいか確認しておいてください。あまり法人営業、法人営業しなくてもいい。個人営業から法人営業に来たことでかしこまっちゃう人がいるけど、個人も法人も変わらない。目の前の人と話をするわけだから、普通に話してきて。後は決済者、個人と一番違うところ。誰が印鑑を押すのか。
まずは目の前の担当者に使いたいと思ってもらうことが大切
保険の営業も一緒。Aくんの場合は誰と相談するかも聞いておいたほうがいい。では息子と話をします、息子と相談しますというのは結構あると思うから、決済する人や誰と相談するかは聞いておくのは個人営業は特に大事。特に高齢商材の場合、息子さんと相談するとかは全然あり得る。隣のとめちゃんと相談する人もいるかもしれないけど。
Iくんは法人営業なので、決済は誰がするのか、決済フロー、この金額は上長の承認だけでいい、私の承認でいい、これは稟議に回さなければならないというのがあると思う。稟議や上長、複数の承認がおりるときは全員が納得しなければいけない。上と相談します、担当者が部長と相談、部長が一人で決められないから取締役と相談、取締役一人だと決められないから社長と相談、そうなったときは全員からの承認をもらうようにする。全員からの承認をもらうために自分がどういう提案をするのか、部長がどう楽になるのか、会社全体がどう楽になるのかみたいなところを含めて提案しなくちゃならなくなる。決済フローの確認も必須です。
決済フローについてはどういうふうに聞いたらいいですか?
そのまま聞いちゃっていい。実際これを導入していただくとしたら、最終的にどのような流れで最終的に決定いただけますか?と聞いちゃう。決済フローを確認するときは実際に目の前の担当者がいいと言ってもらえないと、なかなかそこまで行かないから、その確認ができてから。Iくんと打ち合わせしているとすると、Iさん、個人的には使いたいと思っていただけますか?と個人の意見を聞いておく。
これは複数決済のときに必要なことだけど、実際に打ち合わせをしている目の前の人が使いたいと思ってもらえないと次のステップに行かない。上司に報告するのは面倒くさい。いちいちついてくるなと思っちゃう。営業代行やったり他の会社の営業を手伝ったりすると同行スタートになるけど、指示をもらえればお前より売れるよと思いつつ、同行ありがとうございますとなるわけ。上に相談するとか承認をもらうとかは結構体力がいるから、目の前の担当者が使いたいなと思っていないと上に行かない。だからまず目の前の担当者がいいと思っているかどうかをしっかり確認することがすごく大事です。
営業4.0実践ゼミは絶賛メンバー募集中です!
私の営業の相談に乗って欲しい、意識の高いメンバーと営業力を高めたい!
そんな方は是非、一緒に営業を学びましょう!